宇宙飛行士になるには? 必要な条件と求められる資質とは

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子供の頃「将来何になりたいですか?」と聞かれて、「宇宙飛行士!」と答えた人もいるでしょう。宇宙飛行士は夢のある仕事ですが、なるためのルートは限られていますし、また非常に狭き門です。今回は「宇宙飛行士になるにはどうすればいいか」をご紹介します。

■日本で宇宙飛行士になるにはJAXAの募集を待つしかない!

日本で宇宙飛行士になるには、『国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構』(以下、JAXAと表記)の「宇宙飛行士候補者募集」に応募し、選抜試験に合格しなければなりません。しかも、この募集があるのが数年に1回。
直近の募集は2008年(平成20年)で、直近とはいうもののもう9年も前です。その前に募集があったのは1998年ですから、この2008年の募集は10年ぶりのことでした。10年に1回と考えると、そろそろ来年あたりに次の募集があるかもしれませんね。

いずれにせよ、日本で宇宙飛行士になろうと思ったら、JAXAの募集にタイミングよく応募できる年齢でないと宇宙飛行士になれないのです。

■宇宙飛行士の「候補者」になるのも超難関!

JAXAの募集に応募して選抜試験に合格するとしても、これは非常な難関です。採用人数に対して応募者が多すぎて、倍率が大変高いのです。

●2008年の「宇宙飛行士候補者募集」
 採用:最大3名/応募者963人
 ⇒倍率:321倍

●1998年の「宇宙飛行士候補者募集」
 採用:3人/応募者864人
 ⇒倍率:288倍

このように、JAXAの募集する「候補生」になるだけでも多くのライバルに勝ち抜かないといけません。また、候補生になれたからといって「宇宙飛行士」になれるわけではないのです。NASAでの2年程度の「宇宙飛行士としての訓練」を経て、初めて宇宙飛行士に認定されます。さらに、認定されても宇宙に行けると決まったわけではありません。

本人の技量や、宇宙飛行士同士の関係など、さまざまな要素を加味して、ミッションクルーに任命されるかが決まります。「宇宙飛行士なんだけれども宇宙に行けない」という状況もあり得るわけで、現在でも宇宙に行くことは、簡単には叶えられない夢なのですね。

■JAXAの募集に応募するために必要な資格は?

前記のとおり、まずはJAXAの募集する候補者に選ばれないと宇宙飛行士にはなれません。では、JAXAはどのような人材を求めているのでしょうか。2008年の募集要項の応募条件を見てみましょう。

(1)日本国籍を有すること。

(2)大学(自然科学系※)卒業以上であること。
※理学部、工学部、医学部、歯学部、薬学部、農学部等

(3)自然科学系分野における研究、設計、開発、製造、運用等に3年以上の実務経験(平成20年6月20日現在)を有すること。(なお、修士号取得者は1年、博士号取得者は3年の実務経験とみなします)

(4)宇宙飛行士としての訓練活動、幅広い分野の宇宙飛行活動等に円滑かつ柔軟に対応できる能力(科学知識、技術等)を有すること。

(5)訓練時に必要な泳力(水着及び着衣で 75m: 25m x 3回 を泳げること。また、10分間立ち泳ぎが可能であること)を有すること。

(6)国際的な宇宙飛行士チームの一員として訓練を行い、円滑な意思の疎通が図れる英語能力を有すること。

(7)宇宙飛行士としての訓練活動、長期宇宙滞在等に適応することのできる以下の項目を含む医学的、心理学的特性を有すること。

1.医学的特性
・身長:158cm以上190cm以下
(注:宇宙服を着用して船外活動を行うには、約165cm以上が必要です)
・体重:50kg~95kg
・血圧:最高血圧140mmHg以下かつ最低血圧90mmHg以下
・視力:両眼とも矯正視力1.0以上
(注:裸眼視力の条件はありませんが屈折度等の基準があります。屈折度:+5.50~-5.50ジオプトリ以内、乱視度数:3.00ジオプトリまで、左右の屈折度の差:2.50ジオプトリまで。また、平成20年6月20日時点で、PRK手術・LASIK手術の後、1年間以上を経過して恒久的な副作用がない場合には医学基準を満たします。それぞれ医学検査時に評価します)
・色覚:正常
・聴力:正常

2.心理学的特性
協調性、適応性、情緒安定性、意志力等国際的なチームの一員として長期間の宇宙飛行士業務に従事できる心理学的特性を有すること。

(8)日本人の宇宙飛行士としてふさわしい教養等(美しい日本語、日本文化や国際社会・異文化等への造詣、自己の経験を活き活きと伝える豊かな表現力、人文科学分野の教養等)を有すること。

(9)10年以上宇宙航空研究開発機構に勤務が可能であり、かつ、長期間にわたり海外での勤務が可能であること。

(10)米国勤務当初に必要な国際免許の取得のため、日本の普通自動車免許を採用時までに取得可能なこと。

(11)所属機関(または、それに代わる機関)の推薦が得られること。

非常に細かく条件が設定されていますが、宇宙飛行士になるには、大学では自然科学系の学部を選択しておいた方がいいかもしれません。また、やはり国際的にチームを組んで働きますので、英語でのコミュニケーション能力、協調性については特に注目されるようです。

「宇宙飛行士になるには」というテーマで解説しましたがいかがでしたか? 以前、筆者は別件でJAXAの某宇宙飛行士を取材したことがありますが、やはり「チームワークが大事」「協調性を問われる」とおっしゃっていました。宇宙ステーションに自分たちだけ、といった状況になりますから、みんなで力を合わせることが何よりも大事で、またそれができる人こそ宇宙飛行士にふさわしいのでしょうね。

⇒データ出典:『独立行政法人 宇宙航空研究開発機構』の「平成20年度 国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士候補者 募集要項」
http://iss.jaxa.jp/astro/select2008/pdf/bosyuyoko.pdf

(高橋モータース@dcp)

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