大ヒット小説がアニメ映画化『夜は短し歩けよ乙女』 原作と映画を比べてみると…? (2/2ページ)
「先輩」は「黒髪の乙女」を追って、夜の古本市へたどり着くが、そこで「古本市の神」を名乗る少年と出会う。そして、少年は「本はみんなつながっている」という話を「先輩」に語り始めるのだ。その部分を原作から少しだけ抜粋してみよう。
“最初にあんたはシャーロック・ホームズ全集を見つけた。著者のコナン・ドイルはSFと言うべき『失われた世界』を書いたが、それはフランスの作家ジュール・ヴェルヌの影響を受けたからだ。そのヴェルヌが『アドリア海の復讐』を書いたのは、アレクサンドル・デュマを尊敬していたからだ。そしてデュマの『モンテ・クリスト伯』を日本で翻訳したのが「萬朝報」の黒岩涙香。彼は……(以下略)”
映画でも、この部分はほぼ原作に忠実な形で再現されている。
二人が出会う人々も、無関係なように見えてそれぞれが少しずつ縁を持っていたり、人の縁が別の縁を取り持ったりもする。
では、肝心の「先輩」と「黒髪の乙女」の縁はどうなるかといえば、それは本作を見てのお楽しみだ。
ちなみに筆者は映画を観てから原作を読んだが、映画と原作どちらから入っても楽しめるだろう。映画を観てから小説を手に取るのもひとつの「縁」なら、小説を読んでから映像作品に触れるのも、ひとつの「縁」だ。
そして、鑑賞後もしくは読了後には、きっと「電気ブラン」というお酒と「ラ・タ・タ・タム」という絵本と「縁」を持ちたくなるだろう。ゴールデンウイークの締めくくりに「縁」を広げてみてはいかがだろうか。

(ライター:大村佑介)