80代からが人生の黄金期だ「毒蝮三太夫」(1)戦争体験を次世代に伝えたい (2/2ページ)

アサ芸プラス

 俺は12歳の時に「鐘の鳴る丘」っていう舞台でデビューしてから20年間、本名の「石井伊吉(いよし)」で役者をやってきた。それが、友人の立川談志の勧めで「笑点」の座布団運びをやるようになって改名したんだ。それがタレント活動のスタートだった。

 この時は俺の中でも、想像を絶する葛藤があったんだよ。だって、普通、「毒蝮」なんて名前にわざわざ改名するか? 談志からは、何度も何度も「毒蝮になれ」って口説かれたけどさ。のちに「お前、シャレで言っただけなのに、よく付けたな」なんて言ってたけどね(笑)。

 でもね、俺が役者一本で行っていたら、この年まで仕事は続けられなかったはずだよ。例えば今回の「やすらぎの郷」は80歳前後の登場人物が多い。だから俺にも声がかかったんだろうけど、これはマレなことなんだよ。

 考えてごらん。80歳の役は60代の人でもできる。柄本明さんみたいな、うまい役者なら簡単にやっちゃうよ。使うほうだって、セリフ覚えや足取りが落ちてきた現実の80代よりも彼らを使いたいと思うはずだからね。

 それを考えると、あの時、活動の場を広げるよう勧めてくれた談志には感謝するしかないよな。

毒蝮三太夫:1936年、東京・品川生まれの浅草育ち。12歳でデビュー後、舞台や映画などで活躍。68年、立川談志の助言で本名から芸名を改名。69年からTBSラジオ「ミュージックプレゼント」でパーソナリティとして活躍、現在に至る。主な主演ドラマに「ウルトラマン」のアラシ隊員など。NHK Eテレ「ハートネットTV」にも出演中!

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