【プロ野球】鬼門の交流戦での広島名場面集! 1イニング15失点の顛末、10連敗阻止の満塁弾、ブラウンシフト… (2/2ページ)
■千葉の夜空を切り裂いた満塁弾
次に紹介する名場面もQVCマリンフィールドで行われたロッテとの1戦。2014年6月15日のことだ。
2014年の広島は、前年に球団初のCS進出を果たした勢いのままにシーズン序盤にスタートダッシュ。26勝15敗、貯金11で首位を快走していた。投打がかみ合った強さを見て、ファンの多くが「今年はいける!」と高ぶっていた。
しかし、鬼門の交流戦にどデカイ落とし穴が待っていたのだ。
交流戦開幕からいきなりの4連敗で勢いを失うと、6月3日の日本ハム戦から6月14日のロッテ戦にかけてズルズルと9連敗。瞬く間に貯金1まで減ってしまう。
崖っぷちで迎えた6月15日。この日の試合に負ければ貯金は底をついてしまう。広島は2011年の交流戦でも悪夢の10連敗を喫していた。悪夢の再来が脳裏をよぎり、10連敗を覚悟したファンも多かっただろう。
運命の試合が始まった。広島が2点を先制するものの先発のバリントンが打ち込まれ、6回を終えて2対5と3点ビハインド。10連敗の悪夢が目の前に迫ってきた。
しかし、7回。主砲・エルドレッドの満塁アーチが飛び出し大逆転! 8回には追加点を挙げ、8対5で試合をものにした。
屈辱の10連敗を回避する値千金の満塁弾に涙するファンもいた。それほど、このときの9連敗はチームにも、ファンにも、重苦しいものだった。
■ついに決まった「ブラウンシフト」!
2009年6月14日の西武戦では、珍しい光景にスタンドが大きく沸いた。
白熱した試合は11回を終えて4対4。広島は12回、無死満塁と絶体絶命のピンチに追い込まれる。
ここで広島はここで大胆な守備シフトを敷く。左翼手を内野に置く「内野5人シフト」で大ピンチに挑んだのだ。
この「内野5人シフト」は、ブラウン監督(当時)が好んだ采配で「ブラウンシフト」と呼ばれ、その陣容になるやいなや大きな盛り上がりを見せた。とはいえ、この試合まで「ブラウンシフト」はシーズンで4回、オープン戦1回敷かれていたが、内野ゴロを守備陣の網にかける成功は1度もなかった。
しかし、このときは見事に成功! 「7-2-3」の併殺が成立。レフトゴロからの併殺という珍しい記録が生まれた。ファンの大歓声がこだましたのは言うまでもない。
ここで挙げたエピソード以外にも様々な名場面が生まれる交流戦。普段、試合を行わないチーム同士の激突だけに、イレギュラーな事態が起こりやすいのかもしれない。今シーズンもファンを熱くする名場面の誕生に期待したい。
(成績は6月6日現在)
文=井上智博(いのうえ・ともひろ)