職場の男性の距離が近い……。話しているとき、こんな不快感を覚えたことはありませんか？　誰にだってパーソナルスペースはあるもの。相手とのそれが一致していないと、正直嫌な気持ちになってしまいますよね。そもそも距離感が近い男性は、どんな心理状態なの？　今回は、心理カウンセラーの小日向るり子さんに「距離が近い男性の心理と対処法」について、解説をしてもらいました。

■職場に「距離が近い男性」はいませんか？

あなたの職場にも距離感が近い男性はいませんか？　相手に悪気がないとしても、距離の縮め方に戸惑ってしまうことはありますよね。まずは、職場の男性に対して「距離が近い！」と感じた女性たちの本音を見ていきましょう。

◇働く女性に聞いた！　周囲に距離が近い男性はいる？

職場の男性に対して「距離が近い……」と困った女性の割合は？　そこで、働く女性たちにこんな質問をしてみました。

Q.あなたの職場に、話すときの距離が近い男性はいますか？

いる（21.8％） いない（78.2％） ※有効回答数394件

「いる」と回答した女性は約22％。実際の職場でも、距離感が近い男性は一定数いる様子。なぜそこまで近い距離で話すのか、相手の気持ちが気になってしまいますよね。

◇距離が近い男性に対する印象って？

では、距離が近い男性に対して、女性たちはどのような印象を抱いているのでしょうか。先ほどのアンケートで「いる」と回答した21.8％の女性に、その印象をぶっちゃけてもらいました。

Q.「いる」と回答した方に聞きます。距離が近い男性に抱く印象を教えてください。

第1位　悪印象（48.8％） 第2位　なんとも思わない（33.7％） 第3位　好印象（17.4％） （※）有効回答数86件（「周囲に距離が近い男性がいる」と回答した女性）。四捨五入の関係で100％にならない場合がございます

「悪印象」という回答が約49％で第1位。人間には誰しも心地よく感じるそれぞれの距離感がありますよね。それは十人十色だからこそ、距離の近い相手にあまりいい印象を抱かないこともあるようです。

■そもそもパーソナルスペースとは？

あなたは「パーソナルスペース」という言葉を聞いたことはありますか？　距離の近い男性とのやり取りが不快に感じる場合には、もしかするとこれが関係しているのかも!?　ここからは、心理カウンセラーの小日向るり子さんの解説を見ていきましょう。

◇パーソナルスペースって何？

「パーソナルスペース」とは、アメリカの心理学者であるエドワード・ホール氏が提唱した言葉。人には個々に「これ以上近づいて欲しくない距離」というものがあり、この距離を犯して近づいてくる物や人に対して、ストレスや苛立ちを感じるというものです。

エドワード・ホールはその距離を4つに分類しました。

・〜45cm：密接距離→恋人同士なら許される距離 ・45cm〜1.2m：個体距離→友達なら許される距離 ・1.2m〜3.5m：社会距離→会社の人間や知人なら許される距離 ・3.5m〜：公共距離→個人的付き合いはなく、講演会などで聞く分には許される距離

しかし、パーソナルスペースは国や文化、そのほかにも性別や個体差によってかなり違いがあります。したがって、人との円滑なコミュニケーションをとるためのひとつの指針として考える際には「人にはそれぞれパーソナルスペースというものがあり、相手との関係性を読み違えてそのスペースに入ると相手が嫌がる危険性がある」と押さえておけばよいでしょう。一概に「○○の間柄だから○cmまでOK」と言えるものではないのです。

○cmといった具体的な距離は参考程度に知っておくだけで十分。それよりも、相手を注意深く観察し、その人のパーソナルスペースはどの程度なのか、を知る努力が大切です。

◇男女間のパーソナルスペースの捉え方の違い

実は、男性よりも女性のほうが「パーソナルスペースが狭い」と言われています。つまり、他人が近くに寄ってきてもストレスを感じる度合いが低いのは女性だということ。

また、男性のパーソナルスペースは楕円形である（自分の前と後ろに長い）のに対して女性のそれはまん丸であることが多いです（これにも個人差は当然ありますが）。したがって、意中の男性と食事をする場合は、最初は向かい合って座るよりも横に座ったほうが効果的。警戒の度合いが低いため、男性はリラックスして食事や会話をしてくれるはずです。

このように、男女間のパーソナルスペースには違いがあり、それを応用すると距離を縮めるコツにもなります。

■好意のサイン？　距離が近い男性の心理

小日向さんの解説によれば、パーソナルスペースが狭いのはむしろ女性のほう。距離が近い男性は、そんな女性が思わず「近い！」と感じるほどパーソナルスペースが狭いということです。では、距離が近い男性はどのような心理状態なのでしょうか。

明るく社交的な心理を持つ男性はパーソナルスペースが狭いため、同じ感覚で相手の領域にも入ってきてしまいます。男性自身には「距離が人よりも近い」という自覚はありません。

「なんだかこの男性、自分に対して距離が近い……」と感じたら、その人の普段の性格や振る舞いを思い出してください。社交的で快活な男性の場合は好意のある、なしに関わらず距離が近い場合が多いです。したがって、彼の距離が近い＝自分に好意がある、と結びつけるのは早いですね。この場合、ほかの女性に対しての距離感はどうなのか、というところまでを観察する必要があるでしょう。

また、シチュエーションで距離感が変わる男性は、あなたに好意を持っている可能性が。たとえば同じ会社の男性で、普段はある程度の距離感があるのに、飲み会などの社外になると距離が近くなった、なんて経験はありませんか？　自由席だったら必ず自分の近くに座ってくる、ボディタッチが多くなる、といった行動が見られたら、彼はあなたに対して好意があると考えてよいでしょう。

会社という仕事空間を離れること、アルコールが入って心身がほどよくリラックスすることは「本来の感情」が出やすくなるきっかけに。その本来の感情が、あなたに近づきたいという欲求です。ただ、攻めの恋愛が好きな男性は、あえてパーソナルスペースに入ってくるという強引さを見せることも。そんな男性をやんわりとたしなめる技術が女性側にも必要ですね。

■もう嫌！　距離が近い男性の対処法

自分が相手に好意を持っていればいいけれど、そうではない場合……。距離の近い男性に嫌気がさすこともあるでしょう。そんな男性には、どんな接し方が有効なの？　小日向さんのアドバイスを聞いてみました。

距離の近い男性を遠ざけたい場合は、以下の2つの方法を試してみてください。

☆（1）直接相手に言う

前述しましたが、本人になんの意図もなく距離感が近い男性はいます。そうした男性には、それとなく距離感を作ったり、パーテーションのようなものを設けたりしてもほとんど意味がありません。それをよけて男性側が近づいてくるだけです。これでは余計にストレスがたまってしまいますよね。

このタイプの男性には「距離が近いですよ」と直接言うことがベストです。伝える側としては、それを言ったら彼が傷ついてしまうのではないか、と考えてしまいがち。ですが、言われた方は「あ、そうなんだ、ごめんね」程度の反応が多く、気にする必要はありません。ただ、そうは言ってもあからさまに嫌な表情をするのは大人の配慮に欠けた行動。さらっと、冗談っぽく「○○さん近いですよ！　この距離感、恋人だけですからね」といった具合に軽い感じで伝えられるといいですね。

☆（2）まわりの人の協力を得る

直接伝えるのが難しく、かつ共通の知人がいる場合はまわりの協力を得ることも考えてみましょう。同僚などから相手の男性に「○○さんのこと好きなの？」と自分のことを聞いてもらいます。たいていの男性は「なぜそんなこと聞くの？」となるはず。そこで「傍から見ていると距離が近いと思うから」といった感じで、さり気なく距離が近いことを伝えてもらうのです。

これは、第三者から見た客観的な視点のアドバイスとして、相手も受け止めるでしょう。無意識にやっていた場合は反省し、気をつけてくれるはずです。また、もしかしたら「実は好きなんだよ」という相手の本音が出てくる可能性もあります。好きだから距離が近くなっているとしたら、これは当たり前の心理。それを踏まえた上でその男性にどう対応していくか、をまた考えていけばよいでしょう。

■結論：距離が近い男性には「近い」と伝えるのもひとつの手！

距離が近い男性は、無意識にやっていることもあれば、あなたに好意を抱いていることも……。「なんだかわからないけど近い！」と不快に思っているよりは、相手の心理が見えていたほうが接しやすいですよね。とはいえ、パーソナルスペースはそれぞれ異なるものです。相手との距離感に困ったときは、うまく「近い」ということを伝えてみてくださいね。

（監修：小日向るり子、文：マイナビウーマン編集部）

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※マイナビウーマン調べ 調査日時2017年6月1日〜2017年6月4日 調査人数：394人（22歳〜34歳の女性）