秋津壽男“どっち?”の健康学「日射病と熱中症はどっちが危険?重度となると即座に救急車を呼ぶ場合も…」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 昔は風通しのいい家が多く、夏に縁側でうちわを振っていれば大丈夫でした。風も涼しく、熱中症にかかることもありませんでした。しかし、今は太陽の熱とともにエアコンの熱気が噴き出し、都会を中心にヒートアイランド現象が進んでいます。風通しの悪い室内にいる老人が、高温障害という熱中症を引き起こすのです。

 真夏の炎天下で野球をやる時に、水分補給をしない選手はいないでしょう。危険な兆候があるため日射病の防止は難しくなく、仲間もいるので倒れてもフォローができますが、熱中症の場合、室内に一人でいる高齢者が「大丈夫」と思い込むことで危険度が高まります。

 熱中症の怖さは「熱くなったらエアコンを入れよう」と思っているにもかかわらず、症状の進行で意識が朦朧とした結果、エアコンのリモコンに手が届かなくなることです。

 人間の体は熱くなると汗をかき、その汗が蒸発して体温を下げますが、この時、部屋が高温多湿だと汗が蒸発しにくくなり、いつまでたっても体温が下がりません。いわばウエットサウナにいるようなものです。湿度が高まって脱水状態となり、判断力を失って手足を動かせなくなるのです。

 これは睡眠時にも起こりますので、必ずエアコンのリモコンと水分(塩分を含むスポーツ飲料などがベスト)を手の届くところに置くようにしてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「日射病と熱中症はどっちが危険?重度となると即座に救急車を呼ぶ場合も…」」のページです。デイリーニュースオンラインは、日射病週刊アサヒ芸能 2017年 7/6号“どっち?”の健康学秋津壽男熱中症カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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