【新東方見聞録】「宗教の宝庫」東南アジアを旅する (2/2ページ)

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宗教というものに対して非情になり切れず、ついにそれを容認してしまったという顛末です。

ヨーロッパとアジアの「違い」

もしこれがヨーロッパなら、こうはいきません。

旧ユーゴスラビア崩壊から始まったユーゴ内戦は、一種の宗教戦争でもありました。カトリック、正教会、イスラムの三者が憎しみ合い、無差別の殺し合いが発生してしまいました。

サッカー日本代表のハリルホジッチ監督はイスラム教徒ですが、銃撃戦を止めるために外へ飛び出し撃たれてしまったという過去を持っています。サッカー界の重鎮であるハリルホジッチ監督ですら、「異教徒」と見なされれば容赦なく殺されてしまう。それが宗教戦争の恐ろしさです。

それに比べると、東南アジアは「平和な地域」と言えます。インドネシアの古都ジョグジャカルタでは、ヒンズー叙事詩ラーマヤナの舞台をイスラム教徒が務めていたりします。異教の伝説をお芝居で再現することに反発する人は、過激派団体のメンバーでない限りまずいないと言ってもいいでしょう。

そしてその性質が、各地の宗教施設や歴史遺産を保護しているのです。

静かな熱意

カンボジアの独裁者ポル・ポトは、本気で宗教根絶を目指した人物です。しかしポト政権は数年で瓦解し、カンボジアの人々は昔ながらの信仰を選びました。

その静かな熱意が、アンコール遺跡の修復という形で発揮されています。あれだけ巨大な遺跡を維持するには、やはり信仰がなければできません。

それは異教徒を排除することを目的とした信仰ではなく、この世にあるものすべてを優しく包み込む信仰です。

自らの信仰を大事にしつつ、異教の存在を尊重する。宗教テロリズムの危険が叫ばれる昨今ですが、だからこそ我々は東南アジアから様々なことを学べるのではないでしょうか。

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