イギリスで初となる、イスラム教徒の同性結婚挙げる。幸せなカップルにつきまとう“死の恐怖”に戦慄
現代のイスラム教の社会では同性愛がタブー視されているし、保守的なイスラム教徒の中には同性愛者に対する人権侵害を正当なものとする意見もある。イスラム教徒の同性愛者を取り巻く環境が厳しいことは想像に難くないわけだが、それはイスラム圏だけの話ではないみたいなんだ。
6月22日、イギリス・ウォルソールで、イスラム教徒の同性愛者カップルが結婚式を挙げた。イスラム教徒の同性婚はイギリス初とのことで、祝福ムードはあるものの、イスラム教徒による性的マイノリティー迫害は根強く、“死の恐怖”がつきまとっているらしい。
・ロマンチックな偶然によって出会った二人
結婚式を挙げたのは、ジャヒド・チョードリーさん(24歳)とシーン・ローガンさん(19歳)。二人が出会ったのは2年前のこと。チョードリーさんがダーラストンの街中にあるベンチに座って泣いていると、それを見たシーンさんがやって来て「大丈夫かい?」と声をかけた。その後、すぐに二人は交際を始め、このたびめでたく結婚することとなった。


・同性愛者のイスラム教徒が体験した数々の恐怖
ここだけ聞くとなんともロマンチックだがチョードリーさんがそのとき泣いていた理由がなんとも悲しい。チョードリーさんは、昔ながらのイスラム教徒の家庭でバングラディッシュ人の両親に3人の兄弟とともに育てられた。
子どものころ、サッカーよりテレビでファッションショーを見るのが好きだったチョードリーさん。学校にそれが知れ渡ると唾を吐きかけられたり、ゴミ箱を頭からかぶせられたり、ブタと呼ばれたり、イスラム教徒にとっては非常に侮辱的な「harum」という言葉を叫ばれたりといじめられ続けた。


大人になってゲイを公言してからはさらに状況が悪化して、自宅近くの通りでイスラム教徒から暴行を受けたり、玄関のドアに同性愛者を誹謗中傷するような落書きをされたり、15年間も通い続けたモスクを出入り禁止にされたりした。


・伝統的なイスラム教徒の婚礼衣装でウエディング
チョードリーさんはなんとか性的指向を変えられないものかと、女性を付き合う、人間関係を変える、薬を飲む、サウジアラビアとバングラディッシュへ巡礼に行く、などいろいろとやってみた。でも無理だった。社会から孤立していると感じた。
限界だし自殺しようかな・・・そんな考えが頭をよぎったが、シーンさんに出会ってチョードリーさんは救われた。
結婚式で二人はバングラディッシュのイスラム教徒の伝統的な婚礼衣装を着用。家族や親しい友人らが出席し、身内だけのこぢんまりとしたものだったがチョードリーさんによると「完璧」だったそうだ。


・イスラム教とLGBTにとっての重大な一歩を踏み出す
チョードリーさんの希望もあり、シーンさんはイスラム教への改宗を検討中だという。しかし、同性愛のカップルを受け入れてくれるモスクがなかなか見つからずに苦労しているのだとか。
また、チョードリーさんはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っており、一人で他人に会うことが難しく、働けない状態だ。さらに、結婚式の後も“死の恐怖”がつきまとっており、チョードリーさんは
お前を殺すつもりだと、お前は決して生まれてはいけなかったのだと、そんな恐ろしいことをいう人たちもいます。しかし、それらを気にしないという選択肢ができて、私たちはとても幸せです。たくさんのサポートを受けています。
と明かしている。

何かを社会的に変えるためには犠牲が付きまとうもの。世界的には多様化の流れで同性愛は認められつつあるが、イスラム教徒にとっては、難しい部分があるようだ。
とは言え、歴史的に見ると、ペルシアやトルコ、インドなどでは性的マイノリティー(主として同性愛者)に対して寛容な雰囲気が強く、権力者の多くは美少年の小姓を抱えていた時期もあったようだ。
だが現在ではイランでは同性愛者が死刑に処されるなど、イスラム圏における同性愛者に対する待遇は劣悪の状態にあるようで、国連で同性愛者への差別規定を廃止するよう求める決議案が出されたものの、イスラム教国の反対に依り可決を見送られたこともある[wikipedia]。
via:Daily mailなど / translated by usagi / edited by parumo
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