志村けん「まず共演者を笑わせないと、お客さんも笑わせられない」
今週の「あなたに会いたい」は、昨年の夏に続いて、再び、志村けんさんです! 7月21日から公演の舞台『志村魂』。私も昨年に続き出演させてもらうので、お稽古の後に、お酒を飲みながら、いろいろとお話したいと思っています。これまた昨年と同じく共演する池田夏希ちゃんも一緒。さっそく、カンパーイ!
ゆま「座長、今年も私の連載に出ていただけるなんて光栄です!」
志村「よろしくね」
ゆま「さっそくですが、私は今回で『志村魂』に参加させてもらうのが3回目。それで毎回思うのは、とにかくお稽古の期間が短すぎる~(笑)」
夏希「今回も全部で、稽古期間が11日しかない」
志村「確かにな。普通、1か月の舞台なら、1か月間は稽古するもんだよね」
ゆま「今回だって、30公演もあるのに……(笑)」
志村「まあ、俺は12年もこの舞台をやっているからね。正直、稽古なしでも、本番いけるよ。ただ、裏方のスタッフさんとの打ち合わせや稽古はどうしても必要だから、やんなきゃね」
ゆま「今日の稽古でも、お風呂場のシーンの女性の声について、スタッフの方とずっと相談していましたもんね」
夏希「実は私、あの女性の声、聞こえなかった……」
ゆま「実は私も。だから、背筋がゾワッとした。志村さんだけが聞こえている女性の声って……何って」
志村「バカ野郎(笑)」
夏希「志村さんはセットから音響まで全部、細かいところまで、こだわっていらっしゃいますもんね」
志村「そういうお前(池田さん)は、ダンスをもっとしっかりやれよ(笑)」
夏希「す、すみません。今日は、かなり頑張りましたよ。もう1年分の汗を流したぐらい踊りました」
志村「まったく」
ゆま「そう。今回の舞台では、さらにパワーアップした夏希ちゃんのダンスもあるんだよね」
夏希「そうなんです。今、必死に頑張ってます……」
志村「去年の舞台から気になっていたんだよ。後ろで踊っている夏希が。全然、動いていないんだもん(笑)。だから今回は、みっちりと稽古しないとな」
夏希「は、はい……」
ゆま「私も頑張らないと! 特に今回の舞台は、第2幕のダンスがすごいんですよね。志村さんが三味線を弾いて、私たちがハデハデな衣装で踊る。すごくノリノリで楽しい演目です!」
夏希「照明もきらびやかなんだよね」
志村「うん。あとは夏希のダンスだけだな……」
夏希「頑張ります(笑)!」
志村「ゆまちゃんも、今回で3回目だろ。もうだいぶ慣れてきたんじゃないか」
ゆま「最初の頃に比べたら少し肩の力が抜けた感じはします。あ、変わった点では、お稽古が楽しくなってきました。志村さんのアドリブにも、素直に笑えるようになりました」
夏希「それ、分かる。稽古のときも志村さんは突然アドリブを入れるじゃないですか。それが面白いんだけど、“笑っていいのかな?”と思っちゃうよね、最初は」
志村「面白ければ、ちゃんと笑ってくれよ。稽古のときに、いろいろと試しているんだから」
ゆま「それが初めの頃は、衝撃だったんです。まさか、お稽古でアドリブがくるとは思わないですよ」
志村「まずは共演者を笑わせないことには、お客さんも笑わせられないだろ」
夏希「なるほど。そういう狙いがあったんですね」
志村「と言いつつ、いつも同じセリフじゃ飽きるんだよ」
ゆま「えっ?」
志村「みんなも、飽きちゃうと思って、アドリブを入れているんだよね」
夏希「ちょっと待ってください。じゃあ、本番のときのアドリブは?」
志村「……あれも本番中に急に飽きちゃって、違うことを言いたくなるんだよ」
夏希「ええ!? こっちはいきなり違うセリフがくるから、アタフタするのに」
ゆま「その理由が“飽きちゃった”だなんて……」
志村「ハハハ! まあ、ゆまちゃんも、この3年で変わったよな。さっき自分でも言っていたけど、確かに自分から楽しもうとしているよな。いいことだよ。やっぱり演じている人間が緊張していると、それがお客さんにも伝わっちゃうんだよな」
夏希「志村さん! 私は今年で4年目ですけど、少しは成長しました?」
志村「……お前は変わらないなぁ。困ったことに。今日も踊りを見て“あ~あ~”と(ため息交じり)。逆に違う発見があったよ」
夏希「シュン」
志村「でも、今はつらいだろうけど、そのつらさを噛みしめて乗り越えれば、最終日に泣いちゃうんだよ」
夏希「そうですよね。ダンスを頑張って、最終日に大泣きすることにします」
志村「おいおい」
ゆま「私なんて昨年、最後から1回前の公演にウルウルしちゃったよ。“次で最後なんだ”と思ったら、もうダメ……志村さんもそういう気持ちになります?」
志村「なるよ。俺も最終日は特別な気持ちになるよ。だって、1か月近く着ていた衣装を見て、“これをもう明日からは着ないんだ”と思うと、ホッとすると同時に寂しくなるよ。もちろん、一緒に舞台に立ってきたメンバーやスタッフとも明日から会わないんだ、という寂しさもある」
夏希「そうですよね……」
志村「お客さんの反応も最終日は違うもんな。お客さんもこれで最後だと分かっているから、我々に向けてくれる拍手なんかも少し違う気がするんだ。それを感じると、本当に感謝の気持ちでいっぱいになるよね」
ゆま「ヤバい。私、もう泣きそうになってきた」
夏希「まだ稽古中だよっ(笑)! それに今回の舞台は、福岡公演もあるんだよ。楽しみだよね」
志村「いいよなぁ、福岡」
夏希「ご飯が楽しみ!」
志村「そっちか。確かに、うまい物がたくさんあるからな。舞台を頑張った後の、おいしい飯。最高だよね」
ゆま「私、『志村魂』に出させてもらうようになってから、好き嫌いが本当に克服されましたもん。それまでは、ウナギやジンギスカンは食べられなかったのに。でも、問題もあって、他で食べると“あれ、なんか違うな~”となるんです」
夏希「志村さんに、いいところばかりに連れて行ってもらっているからでしょ」
ゆま「そうなんです。私の味覚をこんなに変えて、どうしてくれます?」
志村「ええ!? 知らね~よ(笑)」
ゆま「そういえば志村さん、タバコは止められたんですね……去年の今頃は飲みの席では吸っていたのに」
志村「ああ。去年、肺炎をやっちゃっただろ。『志村魂』も一部休演することになって、楽しみにしてくれたお客さんにも申し訳ないことをしてしまった。だから、あれがキッカケで、タバコを止めたんだよ」
夏希「でも、病気になったとはいえ、よく止められましたね」
志村「よく禁煙すると3日目が一番つらいと聞くんだけど、俺の場合、その3日目、肺炎のほうが一番つらい日で。もう、タバコどころじゃなかったんだよ」
ゆま「お酒のほうは大丈夫なんですか?」
志村「うん。酒は医者から、1週間に2日は休肝日を取ってください、と言われているんだけどね……」
夏希「2日も何も、毎日飲んでいるじゃないですか」
志村「ハハハ。俺は飲まないときのほうが、体調が悪くなるんだよ」
ゆま「心配になります」
志村「酒だけは本当に止められないね。俺はもともとシャイだからさ。酔わないと、腹を割って話せないんだよ」
ゆま「ウフフ。じゃあ、もっと踏み込んだこと、聞いちゃおうかな」
<次号に続く>
■志村けん一座第12回公演『志村魂』~先づ健康~
<公演日程>神奈川・ハーモニーホール座間7月21日~23日、名古屋・中日劇場7月26日~30日、福岡・福岡サンパレス8月4日、東京・明治座8月8日~17日、大阪・新歌舞伎座8月19~22日。チケットは、ハーモニーホール座間(046-255-1100)、中日劇場予約センター(0570-55-0881)、明治座チケットセンター(03-3666-6666)、新歌舞伎座テレホン予約センター(06-7730-2222)、他、プレイガイドにて
志村けん しむら・けん
1950年2月20日生まれ、東京都東村山市出身。付き人を経て、73年4月『ザ・ドリフターズ』に加入。その後、『8時だョ!全員集合』などで大人気を獲得する。“バカ殿様”“変なおじさん”などの愛されるキャラクターも多数持つ日本を代表するコメディアン。『志村魂』での三味線の演目は必見!
麻美ゆま あさみ・ゆま
1987年生まれ、群馬県出身。セクシーユニット『恵比寿マスカッツ』のメンバーとしても活躍。現在はタレントとして活動。待望の初のミニアルバム「SCAR Light EP」(ポニーキャニオン)は絶賛発売中!