【胎児ドック】あなたは受ける?受けない?検査のメリット・デメリット
産婦人科で行われる「胎児ドック」をご存知でしょうか?
妊婦健診とは別のもので、生まれる前の赤ちゃんの健康状態を調べる検査ですが、結果によっては厳しい現実を受け止めなければならない場合もあるようです。
プレママ向けに、胎児ドックのメリット・デメリット、検査内容を医師に解説していただきました。
胎児ドックとは

現在大阪で開業しているある産婦人科医師が2000年に提唱したもので、お腹の中にいる赤ちゃんを詳しく調べ、成長の具合や病気の有無などを調べ、出生前診断を行う健康診断の一つです。
現在では多くの産婦人科で行われていますが、その内容はまちまちです。
超音波検査、母体血液の採血検査、羊水や絨毛を採取しての検査、遺伝カウンセリングなどが行われます。
一般の妊婦健診でも、ある程度胎児の成長や病気の有無は検査しますが、時間の制約などにより大まかな検査のみとなる場合が多いため、より詳しい検査を希望される方は、個別に胎児ドックを受けることになります。
胎児ドックの費用

自費診療であり、自治体から配布される妊婦健診費用の補助券は使用できません。
5万円から費用がかかり、絨毛検査を行う場合は20万円を超える場合もあります。 胎児ドックのメリット・デメリット

メリット
赤ちゃんに何らかの異常が判明した場合、時期によっては中絶を検討することもできます。
本来、赤ちゃんの病気を理由にした中絶は認められていませんが、「病気の赤ちゃんを育てる経済的余裕がない」ということを理由に中絶が行われているのが現状です。
また、赤ちゃんを受け入れる場合、病気について勉強したり、安全にお産をするにはどの病院がいいか、生まれてからの治療はどのように行うかなどを検討するための情報にもなります。
デメリット
一般的に5万円以上の費用がかかります。
また、異常が見つかった場合、中絶を含めて厳しい選択を迫られることになります。
その心理的ストレスは大きなものです。異常とまでは言い切れないが、気になる所見が見つかった場合、不安を抱えながら妊娠生活を送らなければなりません。
胎児ドックを受けたからといってすべての異常の有無を知ることができるわけではありません。血液検査その他の検査について、それぞれの精度や限界を十分知って受ける必要があります。 胎児ドックの検査内容 妊娠初期

妊娠11週〜13週にかけて、主に染色体異常をターゲットにした検査を行います。
超音波検査による後頚部浮腫(Nucal Thickness=NT)測定、鼻骨の観察や心拍数測定、母体血液マーカー検査、絨毛検査などが行われます。
母親の年齢や各数値から、染色体異常の可能性を算出します。
妊娠中期〜後期

胎児の全身の状態、羊水量、胎盤の位置、臍帯の血流量などを超音波検査で調べます。羊水検査を行う場合もあります。 胎児ドックを受ける際の心構え

まず、「多分大丈夫だろうけど、なんとなく安心したい」という考えで受けるのはやめましょう。
なぜ出生前診断を受けようと思ったのでしょうか。病気の赤ちゃんだったら受け入れられないから?それも一つの意見です。
出生前診断をどう考えるか、受けるか受けないか、結果をどう受け止めるかということは、「生きるとは何か」「人間の価値とは何か」という、根本的な問いに関係する深い問題です。
流産リスク
例えば気軽に受けた血液検査で、 ダウン症の確率が年齢相当より高めに出たとしましょう。
次に決めなければならないのは、絨毛検査や羊水検査を受けるかどうかです。こういった検査には流産のリスクがあります。
中絶の決断
結果が出るのにかかる時間を考えると、中絶できる期限に間に合わせようとすれば、ごく短い期間で検査を受けるか受けないかを決めなければなりません。
つわりや体調不良でつらい中、家族とも話し合い、多くのことを考えていかなければならないのです。
周囲との衝突
妊娠した女性には、程度の差はありますが母性が生まれます。お腹の中の赤ちゃんを守りたいと思う気持ちです。
それに対して、周囲の人たちはそういった気持ちが薄く、「病気の子は産まれては困る」などと考え、意見が衝突する場合があります。 ネット上の胎児ドックに要注意

現在、インターネット上で、血液での新型出生前診断を行うとうたっている業者もあります。
出生前診断は本来、カウンセリング体制の整った施設で、母親の年齢が高齢であることなどの条件をクリアした上でしか行われていないのですが、制度の目をかいくぐって検査を受けることもできてしまうのが現状です。
こういったインターネットの検査で望ましくない結果が出た場合、十分なカウンセリングが受けられず、不安と迷いが増すばかりという可能性もあります。
最後に医師から一言

赤ちゃんについて詳しく知りたいという気持ちは誰もが持っています。
しかし技術の進歩により、情報が多くなりすぎて、どう受け止めていいのか迷う場面も増えています。
胎児ドックを受けることを検討される場合は、その結果について十分説明し、カウンセリングをしてくれる施設を選ばれる必要があります。
(監修:Doctors Me 医師)