本好きリビドー(166) (2/2ページ)
その小池さんが焼き肉、ステーキ、すき焼きの名店を紹介するだけでなく、牛の生産者への独自取材や美味い肉の焼き方、さらにサーロインやロースだけではない希少部位の魅力まで、これでもかと徹底的に解説した肉・にく・ニクの本。しかも極上の肉の写真をふんだんに掲載しているため、一読しただけでヨダレが垂れてくるのである。
こだわり方がとにかく半端じゃない。例えば、「師走は借金してでも肉を食え」「極上和牛に出会うための準備」など、常人には計り知れない情熱と知識が詰まっている。
確かに極上肉ばかり食べていてはフトコロも寂しくなるだろうが、一芸に秀でるためには出費もいとわない生き様は見事という他なく、詳しすぎるウンチクは人生のすべてを肉に捧げたゆえの賜物といえる。
また、日本3大和牛といわれる神戸牛、松阪牛、近江牛の探訪記も読み応え満点。「旨い肉は、小豆色」というのが小池氏の持論らしいが、では、具体的にどういう色なのか? 読めば肉の目利きに一歩近ずけるかも。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)