芸能界の”奴隷契約”と置屋事業対策に進む公正取引委員会|やまもといちろうコラム (2/3ページ)
■芸能界に存在する暗黙のルール
一方、タレントや俳優というのは浮世稼業であると同時に、やはり子供の頃からそれ用の仕事をこなし、トレーニングをしてキャリアを積んでいきます。極端な話で言えば、学校もまともにいかない叩き上げの子役が無教育のまま大ブレイクしてスター街道を歩く結果、巨万の富を得てしまうということもあり得る、というのが日本でも欧米でも普通にあります。
これは、相撲界(各界だろう)がプロ野球だろうが歌舞伎のような演芸だろうが当たり前にある話で、これをカバーする法規は未成年の時間外就労に関わる法律ぐらいであって、義務教育も満足に果たさずに才能一本で頑張るということが簡単に起きる世界なわけですね。
未成年もさることながら、芸能界においてはいわゆるDQN親対応や、成年しても頭がいろいろアレな芸能人はたくさん出てきます。この辺のドロドロしたところを見えなくして、イメージや夢の世界を売るのが芸能界だとするならば、その仕組が置屋稼業だといわれたときに「ではそのままイカレた人たちをマネージメントせずに世の中に放り出してよいのか」という話に容易になってしまうのがむつかしいのです。
変な表現ですが、世間一般で見るアントニオ猪木と現実の猪木寛至さんとに物凄いアレな溝があるのはよく知れている話としても、うっかり製作委員会で日々起きていることから逆算するとアントニオ猪木というのはむしろまともなほうであって、そんなのよりヤバイ人たちは本当にゴロゴロしているというのが実情であることに気づきます。そして、そういう人たちはテレビ番組によく登板してクイズ番組やらバラエティとかで荒稼ぎをしつつそこで得た知名度をもとに映画だ舞台だと活躍されているわけです。
なので、そういう人たちをマネジメントするのはほんとうに大変なのだろうなあと思うわけですけれども、実際にはうまくホールドしているのは芸能事務所でありまして、そこが隠せば隠すほど、芸能マスコミや文春新潮あたりは何か芸能人がやらかすと大変な騒動に発展することになるのです。
一般論として、ローラの件は本人も辛い思いをしているであろうし、周辺も忸怩たるところはあるでしょう。いままでは良きにはからえ的に遠くにいた経営者が、うっかりこれは儲かるとなって現場に出張って来たら、頑張ってきた人たちは放逐されかねませんし、せっかくの商品が台無しになってしまうリスクに直面します。
芸能一般でいうならば、この売り出しにかかる部分は芸能事務所の力関係や人脈によるところが大きく、映画のキャスティングでもどっかから大御所や事務所同士の折り合いを意味する「行政」が入ってキャストが交代させられたり、本来いるはずのない登場人物が脚本で押し込まれて突然登場することもあります。それでも、一般の人達からは見えないようにあれこれやっているのが実情です。