初めての一人暮らしで気を付けたい部屋選びのポイント

親元から離れていよいよ大学生活の始まり……。部屋探しも心躍ることでしょう。しかし、部屋を選ぶ際は、後で後悔しないようさまざまなことに注意して慎重に行いましょう。今回は、初めての一人暮らしで気をつけたい部屋選びのポイントをご紹介いたします。
■希望する部屋の条件の優先順位を決めておく
一人暮らしをはじめる際は、まずどのような部屋を希望するのか、条件の優先順位を決めておくことから始めましょう。例えば、住みたいエリア・家賃の上限・最寄り駅からの距離(所要時間)・部屋の階数・建物の築年数・エアコン付きなど。できればメモして優先する順位を記載しておくと、不動産会社に依頼する場合も探しやすくなります。もちろん希望事項全てが満たされる物件となると、やはり賃料も高くなってしまいます。そこは何を優先し、何を我慢するか、自分で判断することになります。
<一人暮らしの部屋選びのポイント1 周辺環境>
部屋を決めて入居すると、そこで数年間生活するということですから、周辺環境の確認は大切です。まずコンビニやスーパー、薬局など生活に欠かせない店舗までの距離や、周辺の音環境(交通量や騒音を発生させる工場などの有無)などもチェックしておきたいですね。また、最寄り駅までの所要時間も実際に自分で歩いてチェックしておくことも大切です。さらに、昼と夜とでは街の雰囲気がガラリと変わるものです。女性は特に、夜間の帰宅も安心か、人通りはあるか、明るさは充分かなど、一度夜間に周辺を歩いてみることをおすすめします。
<一人暮らしの部屋選びのポイント2 建物全体>
建物は経年によって見かけが衰えてしまうのは仕方のないことですが、古い建物であっても管理状態が良好かの確認はしておきましょう。ゴミ置き場が衛生的であるか、悪臭がないか、駐輪場は整然としているか、建物玄関やエントランス・廊下などが清掃されているか、建物外壁に割れ目はないか、バイクを持っている場合はバイク置き場の有無などもチェックが必要です。また、オートロックなど、建物のセキュリティー状況も確認しましょう。
建物の管理がきちんと行われているかは、その建物で生活していく上で快適に過ごせるかを左右する大切なポイントです。
<一人暮らしの部屋選びのポイント3 部屋の中>
部屋の中のチェックポイントは数多くあります。重要なポイントを以下に挙げました。
◎間取り
自分の手持ちの家具などを考慮し、部屋の広さや間取が充分かを確認します。部屋探しをする際、物件情報は平米数で表示されていることが多く、どの程度の広さがあるのかわかりにくいと思います。表示されている平米数は、バス・トイレ・キッチン・玄関スペース・収納スペースなどを含む平米数であり、ほとんどの場合が壁芯面積で表示されているため、実質使えるスペースは記載されている平米数より若干狭くなります。
また、何も置かれていない部屋は見た目が広く感じます。家具を置いたときはもっと狭く感じることを理解しておきましょう。また、ここに手持ちの机が置けると目安を立てていても、実際にはサイズが足りないということもあるので、手持ちの家具を置く場合は事前に家具の寸法を測っておくといいでしょう。そして部屋の下見の際、メジャーを持参しておくことも忘れないようにしましょう。
※壁芯面積とは=壁や柱の厚みの中心線で測った面積のこと。建築基準法での床面積は壁芯面積を指すため、物件情報に表示されている面積も壁芯面積になっている。ちなみに、壁の内側の面積は内法面積といいます。
◎窓の方角
窓の方角も大切なポイント。窓の向きによって生活の快適さが大きく変わります。ベストは南向き窓、その次は東向き窓ですが、エリアを限定する場合は難しいかもしれません。
◎階数とエレベーターの有無
部屋の階数によって、エレベーターがあるかの確認もしておきましょう。稀に5階でもエレベーターのない建物もあります。毎日のことですから、エレベーターがあったほうが便利ですね。しかし体力に自信のある人やエクササイズのため、階段を利用したいという人もいるでしょう。エレベーターのない上の階は比較的家賃が安いこともあるので、狙い目かもしれません。女性の場合、セキュリティー面から、1階は避ける人が多いようです。
◎見晴らし
窓を開けたら、目の前が隣のビルの壁……という部屋も少なくありません。気にならない人はいいですが、見晴らしも重視したい人はしっかり確認をしておきましょう。
◎日当たり
南向き・東向きだからといって、日当たりが良好とは限りません。物件情報には南向き窓と記載されていても、実際に部屋に入って日当たりを確認しましょう。
◎風通し
風通しの悪い部屋はカビやダニの温床になりやすいため、部屋の全ての窓を開けて風通しの確認をしておきましょう。
◎窓のサッシや建具などの開閉がスムーズか
窓のサッシ、玄関ドア、室内の建具などの開閉がスムーズか、隙間などがないか、またサッシの網戸に破れなどがないかなども確認しておきましょう。
◎ベランダの状態
ベランダが付いている場合はベランダにゴミなどが放置されていないか、ベランダに干し物が干せるのかなども確認。
◎収納スペース
部屋が狭くても、しっかり収納スペースがあれば必要な家具の量が減り、スペースを有効に使えます。収納ボックスなどを入れるときのために、内寸を測っておくと便利です。
◎エアコンの有無
エアコンが付いている場合と付いていない場合では、入居にかかる初期費用が大きく変わってきます。エアコン付きの場合は家賃が少し高くなっていることが多いですが、エアコンの購入や設置にかかる手間などを考えると、最初から付いているほうが便利かもしれません。
◎キッチン設備
キッチンにコンパクトタイプの冷蔵庫が設置されている場合もありますが、ない場合は冷蔵庫置き場の確認をしておきましょう。また置きたい家電(炊飯器や電子レンジなど)の置き場所も充分であるか、水道は蛇口をひねって一度水を出し、充分な水圧が確保されているか、排水の詰まりがないかなどの確認も必要です。
◎洗濯機の置き場所
洗濯機の置き場所の確認も大切。共同置場などではいたずらの可能性もあるため注意しましょう。
◎照明
照明器具が付いていない場合は、部屋に合わせた器具が必要になります。どの部分の照明が必要なのかチェックしておきましょう。
◎部屋全体の汚れや傷
部屋の壁や柱、天井、風呂、トイレ、キッチン、収納スペースなど全てを細かくチェックし、汚れや傷の有無を確認しておきましょう。汚れが酷い場合はクリーニングをしていない可能性があります。また傷などは、退去の際トラブルの可能性に繋がるため、入居前からあった傷であることを不動産会社に確認してもらいましょう。
◎テレビアンテナの差込口・コンセントの位置や数
テレビアンテナの差込口やコンセントの位置・数もチェックしておくと、家具や家電の配置がスムーズに行えます。
◎隣室との壁の厚さ
集合住宅では、隣人や上下階の住民の声・物音などの騒音問題が最も多いということも知っておきましょう。物件によっては壁が薄く、隣人の生活音が丸聞こえだという場合もあります。壁の厚さを測るのは難しいですが、騒音問題などがないか不動産会社に確認しておきましょう(できれば住民に聞くのがベスト)。
◎梁や柱の出っ張り
背の高い家具などを置く予定の場合、天井の梁や柱の出っ張り部分の確認が必要です。床ばかりを見ていると天井の梁は見落としてしまいがちですが、置きたい場所の高さが足りない可能性もあります。

初めての一人暮らしであせって部屋を選んでしまい、後々泣きを見るケースは少なくありません。なるべくなら、敬遠したい部屋や注意が必要な部屋を以下にご紹介いたします。
<異臭がする部屋>
カビ臭・排水管の匂いなど異臭のする部屋は避けましょう。カビ臭がする場合、見える場所にカビがなくても壁の中などに発生している可能性があります。知らずに入居してしまうと、健康被害を起こすこともあります。また排水管の匂いがする場合なども排水管が詰まって腐敗している可能性があります。
<外への出口や非常口から離れている部屋>
万が一火事などが発生した場合のことも考慮して部屋選びをしましょう。スムーズに外に出られない、出口や非常口から離れた部屋、廊下が迷路のように入り組んでいる部屋などは避けましょう。
<変形の部屋>
記載されている平米数は充分な広さがあっても、変形している部屋では実際に使用できるスペースが少ない場合があります。例えば変形のため、無駄に廊下が長い場合や部屋の形が歪で家具の配置がしにくく使い勝手が悪いなどの場合があります。
<相場より極端に安い部屋>
近隣物件の相場より、極端に安いという場合も注意しましょう。一見、何も問題がないような部屋でも隠れた瑕疵(欠陥)がある可能性が高いといえます。瑕疵は物理的なものとは限りません。心理的・環境的な瑕疵もあります。
例えば事故物件などがこれに相当しますが、事故物件は通常事前に報告の義務があります。その他にも隣人の迷惑行為などの可能性もあるため、安いから飛びつくのではなく、安い理由をしっかり確認してから選びましょう。
<外から部屋の様子がわかる部屋>
低層階の場合は、外から検討中の部屋を確認することも大切です。カーテンを閉めていないと外から部屋の様子が丸見えという部屋もあります。こんな部屋に入居してしまうと、一日中カーテンを閉めて生活しなければならなくなります。また高層階の場合でも隣の建物から丸見えになることも……。女性は特に注意して、このような部屋は避けるようにしましょう。
これから初めての一人暮らしをするという方は、部屋を選ぶ際に余りにも多くの注意点があることに驚かれたことでしょう。しかし面倒でもしっかりチェックすることが、安心で安全な生活、快適な生活を送ることの第一歩となります。なかなか条件に合った部屋は見つけにくいかもしれませんが、部屋探しは余裕を持って、じっくり選んでほしいものです。まずは、安心・安全が基本です。「万が一何かが起きたら……」を常に想定して部屋を選ぶようにしましょう。
執筆:宮崎ゆう(ナレッジ・リンクス)