宮澤賢治「銀河鉄道の夜」天の川にぽっかりあいた"空の穴"は、星のモトが集まる場所 (2/2ページ)

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」カムパネルラが少しそっちを避けるようにしながら天の川のひととこを指さしました。ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまいました。天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいているのです。その底がどれほど深いかその奥に何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えずただ眼がしんしんと痛むのでした。ジョバンニが云いました。「僕もうあんな大きな暗の中だってこわくない。きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。」


天の川を見てみると、そこだけ星がないかのような黒い空間があることがわかります。

ジョバンニが思わず “ぎくっとして” しまうほどの “大きなまっくらな孔” である石炭袋は、みなみじゅうじ座にある「暗黒星雲」と呼ばれるもののひとつ。星間空間に浮かぶ塵(ダスト)が濃く集まった領域です。星雲中の塵(ダスト)が後ろにある星の光を吸収するため、私たちの目にはぽっかりと黒い穴があいているように見えるのです。

暗黒星雲には星の材料であるガスや塵が他の空域より濃く集まっており、星が誕生しつつある場所でもあります。カムパネルラは「そらの孔(あな)だよ」と言っていますが、実際には逆に今から生まれるであろう星のモトがたくさん集まっている場所なのです。

銀河鉄道の夜

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