“あくびがうつる”現象の疑問!親密な関係ほど伝染しやすいワケ
友人があくびをしていると、つられてあくびをしてしまった経験はありませんか?
あくびは“うつる”とよく聞きますが、医学的にも根拠があるものなのでしょうか。
今回は、あくびがうつる現象の原因や最新研究について、詳しく解説をしていただきました。
あくびが出るメカニズム

脳であくびを指示しているのは視床下部という古い脳と言われており、あくびをすることで体を睡眠モードから覚醒モードに動かす役割があると言われています。
あくびがうつるのは人間だけではない?

あくびは新生児でも見られ、また多くの動物もあくびをします。
また、あくびがうつる現象は人間だけのものではなく、チンパンジーや犬でも知られています。
あくびに関する最新研究
あくびがうつる原因が、大脳皮質の第一運動野の原始的な反射によって、自動的に起こっている現象である可能性があるという研究結果※があります。
研究内容
36人の健康な成人に対し、他人があくびをしている動画を見せ、「つられてあくびをしてはいけない」と命じた時と、「自由にあくびをしていい」といった場合を設定し、あくびをした回数や、あくびをしたい感覚があったかどうかを調べました。
研究結果
「あくびをするな」と制限した時の方が、よりあくびをしたくなりました。
また、大脳皮質の第一運動野という領域を経頭蓋的磁気刺激装置という、手持ちのマッサージ機ぐらいの装置で刺激し、脳細胞の活動性を高めてみると、よりあくびがしたくなることが分かりました。
このことから、あくびが伝染するという現象は、大脳皮質の反射によって起こっている現象かもしれないという結果になりました。
あくびがうつる原因
特に疲れていたり眠気があるわけではないのに、近くで誰かがあくびをすると自分もしてしまう、「あくびがうつる」現象は広く知られています。
環境

昼食後の教室や会議室で、眠くなるような環境に一緒にいるから、複数人が同時に眠気を感じているだけとも考えられます。
共感

他人の状況に共感しているという証拠に、あくびを返しているのではないかという説もあります。
■ あくびが伝染しやすい人
より親密な知人・友人・家族のあくびを見た場合のほうが、あくびの伝染は起こりやすいと言われています。
■ あくびが伝染しにくい人
他人や他人に共感するだけの脳機能が発達していない子どもでは、あくびの伝染は起こりにくいと言われています。
病気が疑われる危険なあくび

眠くもないのにあくびが出るのを「生あくび」と言います。
脳に送られる酸素や栄養(ブドウ糖)が足りない場合に出るとも言われ、低血糖症や低血圧、脳梗塞などの脳の病気で見られることがあります。
糖尿病患者で冷汗と生あくびが出て、立っていられなくなり意識を失った場合は低血糖症の可能性が高く、すぐブドウ糖を含むジュースや飴を口に入れます。
意識が戻る場合もありますが、再度低血糖になる可能性もあり、すぐに病院(内科か救急科)を受診する必要があります。
あくびが止まらない場合の効果的な止め方

医学的根拠はありませんが、あくびが出そうなときの止め方としては以下が挙げられます。
・舌を口の中で巻くようにして、上あごをなめる
・深呼吸をする
・歯を噛み合わせる
・唇を噛む
など
最後に医師から一言

あくびは緊張感に欠ける証拠として、授業中・会議中などでは礼儀正しくない行動とされることもありますが、生理的な現象と言えますので、あまり厳しく見とがめないようにしたいものです。
(監修:Doctors Me 医師)