ミサイル解散の観測と意味の分からない小池百合子・都民ファースト界隈|やまもといちろうコラム (2/2ページ)

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■大多数にとって好ましくない結果も

 先日は、東京地検も関心を示しているとされる、アントニオ猪木議員(74)の横領問題で揺れる東京と特別秘書の野田数さん(44)が都民ファーストの党代表を辞任し、都の政策に専念するという発表がありました。と思えば、今度は東京都の特別顧問という形で迎え入れられていた小島敏郎さんが都民ファーストの顧問に転出。これも、東京都庁内の幹部が暴虐に耐えかね内部通報の形で外部に持ち出したネタが「子飼いの都議に知事に対する都議会での『やらせ質問』を仕込んだ」という途方もない内容であって、以前もこれで元副知事が百条委員会で吹き飛ばされるという顛末になっているわけです。情報公開を旨とする小池陣営、本来なら問題を詳らかにして小島敏郎さんに詰め腹の一つも切ってもらうはずが、上手く処理をしようとして自分のところの政党の顧問に迎え入れるというどうしようもない状況ですので、いずれ話は動く可能性はあるでしょう。

小池百合子氏ブレーンの小島敏郎氏が都顧問を辞職 都民ファーストの事務総長へ- 産経ニュース

 何より、今回の選挙は官邸としては「消費税増税と社会保障改革の是非」を、野党としては「森友問題・加計問題を隠蔽する不当な解散」を争点にしたいのでしょうが、実際にはいまの国民は北朝鮮をはじめとする安全保障をもう少しどうにかしろ、という考えが強いのではないかと思います。もちろん、一か月以上先の投開票では全然違う問題が持ち上がっている可能性もあるでしょうが、そもそも安倍政権の支持率が回復した理由は間違いなく「北朝鮮のミサイル」なので、やっぱり有事に強い安倍政権という二つ名は二年前の安保法案強行採決の際に、支持率を大きく落としても安全保障への取り組みは必要だからやる、と不退転の覚悟で取り組んだ安倍政権の「塞翁が馬」ではないかとすら感じます。

 それが本来の政権担当能力なのだ、と嘯く与党筋も少なくなく、確かにそこはファインプレーなのでしょうが、かといって、今回本当に勝って消費税引き上げは本当にやるのか、またフリーハンドが与えられたわけではない憲法改正にまで踏み込んでいくのかは、国民の関心事項というレベルを超えて考えていかなければならない問題であろうと思います。国政は国政で問題が山積の状態で、選挙後にどう捌いていくのかしっかりと考えなければならない状況であることに違いはありません。

 個人的には、これだけの難題がある状況で五輪も市場移転も待機児童もほとんど解決しない小池女史が国政に野心を持ったところで、都民にとっても大多数の国民にとっても好ましくない結果しか及ぼさないのではないかと心配になります。どうもかろうじて政党要件はクリアできる模様ですが、肝心の候補者を立てるための資金を短期間で調達できるのか、あるいはお金を払ってでも出たいという候補者を集められるのか、不安要素でいっぱいです。本当にこんなことで大丈夫かと感じてしまうわけですが、どうにかなるんでしょうか、我が国は。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研

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