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本好きリビドー(174) (2/2ページ)

週刊実話

西郷の言行録から人生哲学や生きる術を探ろうという1冊だ。
 「政治と政治家のあり方を語った言葉」から「他者への思いやりと人づき合いの教え」「生き方、死に方についての言葉」など9章で構成され、出会った者を虜にして離さなかった西郷の人柄・思慮深さが偲ばれる。
 例えば、政治を行なう上で重要なのは「情という一字である」。西郷は「情の人」と称された。情で世を治めるという王道を実践したからこそ、敵味方に関わらず、西郷を信頼する者は多かったワケだ。
 また、「まるで夜這いのようじゃなあ」とは、西南戦争の最中に断崖絶壁をよじ登っている、まさに死に物狂いの時にクチに出たひと言。戦場の修羅場で発したこの言葉に兵士たちからは笑いが起こり、一瞬だけ緊張が緩和したという。なんというユーモア、なんという心の余裕。
 著者は歴史探偵家の高橋伸幸氏。『人生を決断する武将〈サムライ〉の言葉1000』(西東社)など、歴史に埋もれた名言を掘り起こし、現代に生かすことには定評のある方だ。座右の銘が発見できるかもしれない。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)

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