都知事兼任代表・小池百合子は”希望の党失速”にどうケジメをつけるのか|やまもといちろうコラム (2/2ページ)
■小池劇場の結末はどうなる?
民進党からの合流組しか希望の党は議席を確保できないぞとなると、小池さんの意志がどうであれ党代表の座を維持することなどできないでしょう。日本発の女性首相を狙い、大勝負に出た小池百合子さんは、そこだけ見ればビッグチャレンジですし、素晴らしいことだとは思うのです。しかし、身一つで出た都知事と違い、組織と集金力がなければ政権交代可能な議席確保など到底覚束ない状況の中で、候補者調整も党の方針や政策もとりまとめきれないようでは、むしろここでコケてくれたほうが国民としては良かった、ということなのかもしれません。いまの都政と同じようなことを国政でやられても困るので。
無理に無理を重ねて候補者を立てた分、反動は大きくなります。何しろ、政権交代可能な数だけ候補者を立てると組織を急造した結果、東京だけでも比例単独での出馬は10名、このうち比例ブロックの議席確保はおそらく2議席か3議席でしょうから、3議席として二倍の6議席分から溢れた候補者は600万円の供託金は没収となります。東京だけで数千万、全体で数億の無駄金が打ち込まれたことになり、じゃあそのカネの出所はどこだったんですっけね、というスキャンダルが降り注ぐのはそう遠くない将来じゃないかと思っております。
そうなると、いきなり高く積み上げられた塔が一気に崩壊するようなもので、希望の党の母体でもある都民ファーストはどうするのか、また、小池さん自身はこの公示後から都の公務でなぜかフランス・パリに行くまでほとんど都の仕事をしていないことは大いに批判されることでしょう。豊洲市場の移転問題や、環状2号線建設、五輪施設問題も含めて、東京都の抱える問題を全部ひっくり返してしまい、猪瀬さんや舛添さんがやらかした小悪が霞む大変な惨禍を都民に与えたのは他ならぬ小池さんだという話になってしまいます。
小池さんの親衛隊で東京10区から立候補した若狭勝さんは、公示前の調査では優勢に選挙を進めると目されましたが、小池人気の失速の影響をもろに被り、大きく獲得票の予測を落としていまでは比例復活もむつかしいのではないかと言われるレベルになってしまいました。未来の女性首相側近一番手から、一気にアルバイトへ転落することになりかねません。
政治というのはそれだけ風向き一つで大きく変わる世界だと言われればその通りですが、先にも述べたとおり、小池さんを都知事から下ろすぞ、リコールだ、都民ファーストを割って不信任案可決で追い込むぞという動きになるであろうことは、分かります。でも、次の人間の目星も立てないまま、感情を先行させて猪瀬直樹さんや舛添要一さんをメディアで公開処刑して溜飲を下げた結果、出てきてしまったのが小池百合子さんなわけです。
東京都民として「次は誰にするんだよ」という話もありますし、小池さんを希望の党の中から総括してもらわないといけません。ちゃんと都政をやってほしいと。パフォーマンスに走らず、必要な政策を着実に打ってくれる仕事に集中してほしいと。側近政治がいかんというよりは、真の意味で然るべき意思決定ができるほうへ、統治のあり方をシフトしてほしいのです。
いきなり都議会公明党対策と思しき副知事人事をやったり、情報公開が大事だと言いながら黒塗りの資料しか開示されないような真似が続くと、さすがに有権者も気づくでしょうし、メディアから追い風を受けて舞い上がった小池百合子さんが、突然の逆風に見舞われて墜落するその後まで都民は尻拭いをしなければならなくなります。
なんとも残念な話ですけど、これが現実なんですよね、東京都が掲げた希望の。
著者プロフィール

ブロガー/個人投資家
やまもといちろう
慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数
公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)
やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研