生活習慣でリスク激変!?「がんの県民性」大分析 (2/5ページ)
病院嫌いの方の多さも、発見を遅らせているのではないかという見方もあります」(前同)
医療ジャーナリストの牧潤二氏も、この“医療過疎”についてこう語る。「青森県をはじめ、秋田県や鳥取県など人口が密集していない地域には、がん診療の拠点病院のない“空白地域”が多いのです。発見が遅れやすく治療を受けにくい地理的条件も、死亡率を高めていると言えます」
■アルコールやピロリ菌感染の危険度は…
青森県は飲酒率も全国2位なのだが、喫煙同様、酒量の多い県もやはり、がん死亡率が高い傾向にある。「飲酒は肝がん、食道がん、大腸がんのリスクを高めることが分かっており、一日のアルコール量が多いほど、罹患リスクも高まります」(前出の医療機関研究員)
成人一人あたりの酒類販売(消費)量全国1位は東京都だが、これは飲食店の多さが押し上げている値。清酒消費量が全国1位の新潟県では、酒とは関係の薄そうな胃がんが多い。これは、塩分摂取量の多さが理由と考えられるという。「東北、北陸など寒さの厳しい地域は、保存食なども含め、塩分が多めの食事になりやすい。ただ、塩分の摂取量が多いと胃粘膜を傷つけやすく、その結果、細胞が破壊され、胃がんの罹患率も高くなるのです」(前出の牧氏)
胃がんの死亡率では、秋田県が全国トップ。ちなみに、罹患率で言えば全がんでも総合ワースト1位だ。秋田県民の塩分摂取量は、一日あたり11.1グラム。全国平均の10.4グラムよりも確かに多いが、塩分だけが問題とも言えないという。「岩手県も同等に塩分量は多いですが、胃がんは少なめ。塩分以外のリスク要因もあるのです。胃がんは、ピロリ菌の感染が主因とされ、塩分は菌の活動する粘液層を増加させると考えられます」(前出の松田氏)
胃がんの原因の7割は、過去に井戸水を飲んだり、洗浄の不十分な野菜を食べてピロリ菌に感染したことによるものといわれている。「感染割合にも地域性があり、都道府県別の詳細データはないものの、山形県や新潟県は感染割合が高く、北海道、群馬県、愛知県では低いようです」(前同)
ちなみに、前出のような感染経路のため、ピロリ菌感染者は高齢者ほど多く、現在の30代以下には、ほぼいない。