ベルギー・ディナンの絶景を望むシタデルで、繰り返してはならない悲劇の歴史を知る (2/3ページ)
現在見られる姿は19世紀に造られたもので、17世紀はフランス、19世紀初めはオランダ、第2次世界大戦中はドイツと、その支配者はたびたび入れ替わってきました。

このシタデルが特徴的なのは、ディナンのパノラマが楽しめる絶景スポットであると同時に、戦争博物館のようになっていること。

ディナンはその美しい町並みとは裏腹に、ムーズ川沿いの戦略的要所として侵略者から目を付けられたため、何度も血塗られた歴史の舞台となってきました。
なかでも、1914年にはフランスに攻め入るための足掛かりとしてディナンを攻略しようとしたドイツ軍の攻撃により、町は壊滅的な打撃を受け、600人もの一般市民が命を落とすという悲劇に見舞われました。ディナンの美しい歴史的建造物も、実はこのときに大きな被害を受け、のちに修復されたものが多いのです。
せっかくシタデルにやってきたなら、絶景を楽しむだけではなく、繰り返してはならない負の歴史にも目を向けたいものです。
ドイツ軍によるディナン侵攻の背景や戦況、ドイツ人兵士やドイツ軍と戦ったフランス人兵士、ディナンの一般市民による証言など、当時の状況がリアルにわかる内容となっています。
それもただ資料を展示するだけではなく、模型でドイツ軍の進軍情況を示したり、薄暗い通路を歩くと、爆撃の音や市民の悲鳴を再現した音声が流れたりと、ぞっとするほど臨場感たっぷり。

理屈ではなく、身体で戦争の恐ろしさを感じ取ってもらおうという意図が感じられます。