テリー伊藤対談「村野武範」(1)女房が陽子線治療を見つけてくれた (2/2ページ)
近くの病院に行ったら「風邪です」と言われたけど、それにしてはおかしいと思って、別の病院に行ったら「これは精密検査を受けたほうがいいですよ」と。
テリー あらら。
村野 検査の結果、「ステージ4です」って言われちゃったんですよ。
テリー それって、もう末期じゃないですか!
村野 そうなんですよ、舌根にガンがあって、すでに3カ所に転移していました。しかも、「余命はどのくらいですか?」と聞いたところ、「聞かないほうがいいですよ」と。
テリー じゃあ、ガンを宣告されて、いったん、家に帰ったわけですね。その夜は、どんな気分で過ごされたんですか?
村野 その時はまだ痛みも何もないから、実感がなくてグーグー寝ちゃった(笑)。でも、放射線や抗ガン剤治療をすると、逆に体がどんどん悪くなっちゃうんじゃないか、なんて心配はしましたね。しかたがないので、先生の言うとおり入院の手続きを済ませた日の夜、女房が寝ている僕を起こして「別の病院へ行きましょう」と。
テリー それは、なんで?
村野 病気が発覚してから、女房がいろいろインターネットで調べてくれて、先進医療の陽子線治療というのがあることを知ったんですね。治療困難と言われる部位でも、条件が合えば治療が進められて、ステージ4の人でも完治した方がいらっしゃる、ということでした。どうせなら余命を延ばすのではなく、治るのならそれに賭けてみたい。だから先生に頭を下げて、女房が見つけてくれた病院のほうへ転院することにしたんです。
テリー それは勇気のいる決断でしたね。
村野 新しい病院で診療してもらった結果、「大丈夫です、うちで(治療)できます」と言われましてね、いやあ、その時は本当にホッとしました。
テリー ちなみに村野さん、がん保険には入っていたんですか?
村野 ええ、終身がん保険に入っていたし、先進医療特約もつけていたので、実費だけで済みました。テリーさんも入ったほうがいいですよ、僕みたいに、もしものことがあるかもしれませんから。