ママが水中出産を選択する理由〜知っておきたいメリット・デメリット〜
最近では、歌手のAIさんが出産方法として選択し話題になった「水中出産」。その他にも芸能人の方では、道端カレンさん、長谷川潤さんなども水中出産をご経験されています。(参考)
水中出産は、日本ではあまり普及しておりませんが、海外では日本よりもメジャーな出産方法の一つのようです。
今回は、水中出産を選択する理由、水中出産のメリット・デメリット、注意点などを医師に教えていただきました。
水中出産とは
浴槽、プール、海など水中で出産することです。
フランスの産婦人科医ミシェル・オダンは、著書「水とセクシュアリティ(1990年刊、日本語訳1995年青土社)」の中で、人類の祖先は海辺の浅瀬で海産物を取ったりして過ごした時期があり、水に潜ることができたり、サルより体毛が薄く皮下脂肪が多いのはこの時代の名残であるとしています。
つまり、現代人は水の記憶を忘れているが、出産という原始的な場面で水と触れ合うことによって母親の自ら出産する力を引き出し、赤ちゃんを重力の影響から守ったり、出産時の羊水から空気中という急激な環境変化を和らげることができるという考え方です。
水中出産の方法
特に決まった方法はありませんが、浴槽やプールの中に体温と同じ温水をはり、その中に羊水と同じくらいの濃さの塩分を加え、その中で出産する方法などがあります。
また、ずっと水の中にいるということではなく、陣痛の痛みを逃すために水に入り、赤ちゃんを出産する時は陸上という場合もあれば、そのまま赤ちゃんを水中で出産する場合もあります。
妊婦さんが楽に産むための水中出産なので、医療従事者に「ここで水に入れ」「この姿勢を取れ」と指示されてそのまま行うものではありません。海や川でイルカとたわむれながら出産するという人もいます。
水中出産を選択する理由とは?
アクティブバース、フリースタイル出産の一環
分娩台の上で医療従事者にあれこれ言われたり、機械を付けられ不自由な姿勢で言われるがままに出産するのではなく、以下の理由で水中出産を希望されます。
・自分が本来持っている生命力で出産したい
・楽な姿勢で自分と赤ちゃんのタイミングで産みたい
・医療処置の介入をできるだけ避けたい
・出産時の痛みを和らげるため
水中出産のメリット

・痛みが和らぐ
・37度程度のぬるいお湯に浸かることでリラックスできる
・重力の影響が減るので体が軽く感じ、姿勢を自由に変えやすい
水中出産のデメリット

・温まって血流が良くなるため出血が多くなる可能性がある
・赤ちゃんが水を吸い込んでしまうことがある
・子宮や膣の傷口に細菌感染するリスクがある
・陣痛が弱くなったり、いきみづらくなることもある
・水中で何らかの問題があった場合、一旦水から出て体を拭くなどの時間がかかり対応が遅れる可能性がある
水中出産の注意点
自宅での水中出産
1999年に、自宅の24時間風呂で夫婦だけで水中出産をし、新生児が生後8日目にレジオネラ菌感染症で死亡した例が報告され話題となりました。
24時間風呂はお湯をろ過して再利用しており、細菌が増えやすい環境だったと考えられます。
(参照:国立感染症研究所 24時間風呂での水中分娩後発症した新生児レジオネラ肺炎の一例)
水中出産をおすすめしない妊婦
妊娠経過に何らかの問題があったり、感染のリスクがある以下の場合はおすすめできません。
・逆子
・双子
・破水している
水中出産はどの病院でも行っている?
日本で水中出産ができる施設はごくわずかです。病院より助産院のほうが積極的に水中出産を取り入れている傾向があるようです。
最後に医師から一言
海外の研究では、子宮口が全開になるまでの分娩第一期に水に浸かると、無痛分娩を必要とする割合が下がったと報告されています。痛みの程度は数値で表すことができないため、このような評価方法になります。
しかし、水中出産を希望する場合は、衛生管理や温度管理が整った環境かどうかを考える必要があることも覚えておきましょう。
(監修:Doctors Me 医師)