NHK有働アナも発症…声が出にくくなる「急性上気道炎」とは?

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2017年11月9日、NHKの有働由美子アナウンサーが、「急性上気道炎」により喉の不調を訴え、司会を務める「あさイチ」の生放送を欠席し話題になりました。(参考)



皆さんも喉が痛くなり、急に声が出にくくなってしまった経験をされたことはありませんか?特に、気温が下がりはじめ、乾燥してきた11月は風邪に気をつけたいですよね。



今回は、急性上気道炎の原因・症状・治療法などを、耳鼻咽喉科の岡田先生に詳しくお話を伺いました。






急性上気道炎とは

喉の仕組み


いわゆる「かぜ症候群」と呼ばれるものです。その名の通り、急性上気道炎とは、急に上気道に発生した炎症となります。



・上気道:鼻(鼻腔)、喉(咽頭、喉頭、特に声帯上)


・下気道:声帯下から気管、肺




急性上気道炎の原因 

ウイルス


急性上気道炎の原因はウイルスによるものが約90%といわれています。



多いウイルス

・ライノウイルス(春と秋)


・コロナウイルス(冬)


・RSウイルス(冬)


・インフルエンザウイルス(冬)


・パラインフルエンザウイルス(通年)


・アデノウイルス(夏)



その他の原因

肺炎の原因にもなり得るマイコプラズマクラミジア、A群β溶血性連鎖球菌などがあります。




急性上気道炎の症状 

風邪の諸症状



主な症状は、微熱や倦怠感、鼻症状(鼻汁や鼻づまり)や喉症状(痛み、違和感、イガイガ)になります。



は通常1週間前後でおさまりますが、炎症後、気管の過敏性が亢進している場合には3週間程度続くこともあります。高熱をもつことはあまりありません。




上気道炎と気管支炎の違い 

気管支炎


下気道に属する気管支炎は上気道炎に比べて、炎症の主体が咳を直接引き起こす気管にあるため、咳は激しく、1カ月近く長引くことがあります。また、高熱を伴うことも少なくありません。




急性上気道炎の治療法 

自宅療養


自宅療養

基本的には自宅療養・安静で十分とされています。暖かい部屋で部屋の湿度を保ちながら水分を多めに摂り、良質な栄養を多く摂ることが早期回復につながります。




症状がひどい場合には、症状を緩和させることを目的に、解熱鎮痛薬、鎮咳薬、去痰薬、葛根湯(特に急性上気道炎の初期)などの漢方が有効です。



■ 注意点


上記の薬は、急性上気道炎を早く治すものではありません。薬によって良くなったと思って油断していると、さらなる感染にかかり、症状をぶり返す原因になってしまいます。




急性上気道炎と抗菌薬

抗生物質



実は一般的に急性上気道炎に対して抗菌薬の内服は勧められていません。その理由はそもそもウイルスに抗菌薬が効かないからです。



しかし、医師自身も、来院したかぜ症候群の患者さんの多くに抗菌薬を処方しているのが現状です。



その影響で、いざ抗生剤が自分の体に必要になった時に、以前に使用した抗生物質の乱用がその効果を邪魔してしまい、かぜ症候群に対する抗菌薬の投与が、耐性菌増加の原因となっている場合があります。



急性上気道炎に対しての抗菌薬の処方に関しては、耐性菌の増加のためにも、使用に関しては以下のような一定の基準が設けられています。



日本呼吸器学会の「成人気道感染症診療の基本的考え方」

□ 高熱の持続(3日間以上)


□ 膿性の喀痰・鼻汁


□ 扁桃肥大と膿栓・白苔付着


□ 中耳炎・副鼻腔炎の合併


□ 血液検査による強い炎症反応


□ ハイリスクの患者(高齢者、免疫不全状態、悪性腫瘍、他の重篤な呼吸器疾患の合併など)




急性上気道炎の予防法 

マスクを着用しようとする女性


寒い外気によって少し冷えた喉の粘膜の温度がウイルスによって格好の増殖環境になります。そのことが急性上気道炎が冬に流行する1つの原因です。



普段から健康な体を保つことと、外出時にはマスクなどをしてさらなる感染の防御をし、鼻や喉、気管の保温と保湿を助けることでウイルスが増殖しにくい環境づくりを作ることが大切です。




最後に岡田先生から一言

家事と育児


ハードな仕事や育児や家事の両立をしなくてはいけない中、なかなか治らないかぜ症候群に対して、少しでも早く良くなるために抗生物質に頼りたくなるお気持ちは当然だと思います。



急性上気道炎(かぜ症候群)にかかってしまった時は、上述の抗菌薬の適応についての項目を思い出していただければ幸いです。


【監修:耳鼻咽喉科 岡田先生】
プロフィール)
1982年生まれ、2000年群馬県内の県立高校を卒業後、同年4月に私立大学医学部医学科に入学。2006年3月に同大学卒業後、研修医として市中病院を2年間勤務。その後、大学病院に勤務し、2010年4月、大学院に入学、頭頸部癌、感染症を主に基礎研究を行い、医学博士を取得。

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