鈴木哲夫の政界インサイド「民意が強く求めていたのは憲法改正にあらず」 (2/2ページ)
だが、さして国民の関心は高くなかったのかもしれない。
憲法改正について「議論を促進すべき」と答えた人は61%に上ったものの、「最優先課題」を尋ねると、異なる結果が出たのだ。
最優先課題の1位となったのは、年金・医療などの社会保障で25.4%。2位は19.1%を占めた雇用問題・経済政策となり、3位は教育費無償を含めた少子化対策(14.8%)だった。
肝心の憲法改正はというと、なんと8位。しかも、たったの2.8%である。民意が求めているのは、憲法改正や安保政策ではなく、将来の不安解消という身近な問題なのである。
民意と永田町のズレを政治家は認識しているのか。
「森友・加計問題以降、安倍首相への不信感が高まったままで、底辺にある国民の不満は消えていない。野党がだらしないことで助けられている。選挙には勝ったが、何か一つでも火種から炎が上がれば‥‥。常に不安定さを抱えているのが今の政治状況と認識している」(自民党ベテラン議員)
永田町が国民世論に適切に対応できなければ、間違いなく政治不信は増長される。そして、政局へと転換することも、十分にありうる話なのだ。
ジャーナリスト・鈴木哲夫(すずき・てつお):58年、福岡県生まれ。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリーに。新著「戦争を知っている最後の政治家中曽根康弘の言葉」(ブックマン社)が絶賛発売中。