秋津壽男“どっち?”の健康学「痔と脱肛ではどっちがより重篤な病気?肛門の括約筋を鍛え、生活習慣を改めるべし」 (2/2ページ)
内痔核の症状は、【1】排便時に出血は起こるが、イボは外に出ない【2】排便時にイボは外に出るが、自然ともとに戻る【3】イボが外に出たら指で押し戻さねばならない【4】イボが常に外に出てもとに戻らない、の4つに大別されます。
脱肛になると腸の粘膜が外に出て炎症を起こしやすくなります。悪化すると、直腸が肛門から飛び出る「脱腸」となるなど、症状が重くなる可能性がある分、痔よりも脱肛のほうが重篤だと言えます。
症状が軽い場合、肛門の外に出ている粘膜に軟膏を塗ったり座薬を入れて自力で戻すことができます。症状が重ければ手術による内痔核切除や、痔核への血流を阻害して痔核を小さく固める方法、脱肛部分を肛門内に戻すPPH法、内痔核に輪ゴムをかけて内痔核を壊死させる輪ゴム療法などがあります。加齢による肛門括約筋の衰えも原因であるため、再発の可能性も高く、その際は主要因である便秘を治すことが脱肛治療の早道となります。
また、肛門の括約筋を鍛えるのも脱肛防止につながります。肛門を2秒ほど強く締め、10秒ほど長く締める動きを、毎日5分間行うと、半年ほどで効果が表れてきます。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。