失われたベルリンの壁が発見される

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失われたベルリンの壁が発見される
失われたベルリンの壁が発見される


 今年2月6日、ベルリンの壁はある節目を迎えた。この日は1989年11月9日の崩壊から10316日(約28年2カ月17日)目となり、ようやく壁が建っていた期間を上回ることになったのだ。

 この時期を見計らったかのように、先月半ば39歳のドイツの歴史家が、長らく失われたと思われていたベルリンの壁の一部を公開し、市民を驚かせた。

 実は彼は1999年にこの壁を発見したものの、20年近くもこの秘密をひた隠しにしてきたという。

 ドイツ当局の目も逃れてきた壁の存在。この衝撃的なニュースは海外メディアでも取り上げられている。

Bormann, Lost Place Berliner Mauer

・1999年に壁の一部を見つけた歴史家

 1999年、地元の歴史家クリスチャン・ボルマンはベルリン北部のパンコウ区で崩壊から9年を経たベルリンの壁の一部を偶然発見した。

 その驚くべき史跡は、同区内のシェーンホルツ郊外に全長およそ80mも残っていた。

ボルマンが発見していた壁
スクリーンショット-(187)
image credit:youtube


 長い間見過ごされていた壁の一部は、かつて有刺鉄線が巻き付いていたレンガやV型の支持具がついており、ほぼ完璧な状態を保っていた。

スクリーンショット-(198)
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・失われるのを恐れ貴重な壁を秘密に

 ボルマンが驚いたのは、そのそばには20世紀初期の遊園地の痕跡が残っていたことだ。そこはナチスによってルナラガー強制収容所に変えられた場所だった。

長らく発見を秘密にしてきたボルマン
スクリーンショット-(194)
image credit:youtube

 だが彼は自身の発見にも驚きながらも、当時頻繁に起きていた破壊行為によって壁の歴史的価値が失われるのを恐れ、その貴重な壁を守るべくほぼ20年間も秘密にすることにした。

・19年後ついに秘密を明かすことに

 そして先月1月半ば、ボルマンはついにその発見を自身のブログで公開して当局にも報告した。公開に踏み切ったのは壁の傷みが心配になったためとも言われている。

 ボルマンはこの壁が優れた重要文化財にふさわしい構造物であると同時に歴史的価値もあるとし、当局にも理解を求めている。彼が望んでいるのはこの壁の迅速な保護だ。

・当局の目を逃れ続けていた壁

 それにしてもなぜこの場所が当局の管理を逃れていたのだろう?

 この壁があったのは町はずれの墓地と鉄道の線路の間にある林の中で、よほどの用がなければだれも好き好んで近づかないような場所だ。

 しかもそこは1961年以降、最も関心を払われていない最古の区画だった。有刺鉄線の痕跡を見逃せば、残っていた壁も放置されたコンクリートの壁の一部にしか見えなかった。

 さらに壁にあった“ベルリン”の文字がうっすらと見える印も派手な落書きに埋もれてしまい、よほど注意を払わなければわからなかったという。

落書きだらけになっていた壁
スクリーンショット-(201)
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 そのため、残った壁を管理する当局もそれに気づかず、破壊されたと記録していたようだ。

・初期に建設された壁の一部か

 ボルマンによると、今回見つかった壁の一部は当時の東ドイツ(ドイツ民主共和国)が1961年に突如建てた初期の頃のものだという。

 東ドイツが国境を公式に封鎖したのは1961年の8月13日のことで、それ以後、ベルリン西部から東ドイツが隔離される形になった。

 突然都市を隔てる壁を建てられ、市民はショックを受けた。壁を超えようとする人々を阻むため、そこには手始めに有刺鉄線や警報器がつけられたが、のちに厳重な警備体制が敷かれた。

 まもなくその壁は死を象徴する悲劇の壁になった。

・冷戦後に忘れ去られた?

 ボルマンはこの壁に第二次世界大戦で吹き飛んだ家の残骸が使用されていると述べている。

 また、ベルリンの壁は数回にわたり作りかえられ、最後はコンクリートで仕上げられたが、今回の壁はそれより前に急ごしらえしたもので一部が石畳のようになっているという。

スクリーンショット-(187)
image credit:youtube


 しかも彼が見つけたこの壁はどこかの時点で仮設扱いになったらしく、長きにわたって使われた常設部分とは少し違う位置に建っていた。

 その後この区画は、冷戦が終わった時期に当局からもすっかり忘れ去られたと考えられている。

・市民も驚愕。賞賛を受けたボルマン

 ベルリン市民はボルマンの発見に度肝を抜かれた。これまで大勢の人が通り過ぎていた目立たない壁が悪名高い障壁の一部であり、誰もそれに注意を払わなかったことに衝撃を受けたのだ。

付近の路上にはベルリンの壁撤去を示す刻銘も見られる
スクリーンショット-(209)
image credit:youtube

 長い間この秘密をひた隠しにしていた件については議論が巻き起こってはいるものの、多くの人がボルマンの発見を賞賛しており、ヨーロッパの重要性を発見したと評価する欧州議会議員もいる。

 また、彼が提案した保存案を巡る騒ぎなども今のところないそうで、壁を見守っていたボルマンの願いも順調に行けば叶うかもしれない。

インタビューを受けているボルマン
Germany: Presumed part of Berlin Wall unveiled

References:atlasobscura / odditycentral / youtube / youtubeなど /written by D/ edited by parumo
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