秋津壽男“どっち?”の健康学「“卵は1日1個まで”これって本当に守るべき?栄養価の高い卵に含まれるコレステロールとは」 (2/2ページ)
このように、食事によるコレステロールの影響が少ないことが判明し、経口コレステロールが体に悪影響を及ぼす科学的根拠がなくなったことで、摂取基準も省かれたのです。
今では、食事によるコレステロールの摂取量は気にしなくていい、ということになっています。コレステロールの合成量は個人差があり、人によっては家族性高コレステロール血症と診断されている場合や、親が高コレステロール血症である人もいます。特に40代から50代に多く、高コレステロール血症ならば過剰摂取に注意すべきですが、そうでなければ卵を制限する必要はなく「1日1個」というのは迷信にすぎません。
とはいえ、食べすぎは卵に限らずよくないので、目安としては1日3個ぐらいがメドではないかと思います。ちなみに私も1回の食事で1個、1日3個としています。
ただ中には、卵に含まれる尿酸から、痛風を心配する人もいるでしょう。尿酸の元になるプリン体はDNAそのものであり、1つの細胞に1つ入っています。ですから、細胞の数が多いと尿酸も多くなります。
つまり、卵黄よりイクラ、イクラより明太子と、卵の粒が多くなるほど尿酸が増えます。最も多いのは白子で、尿酸も億単位となるため、痛風の人が避けるべきは白子、明太子、イクラの順となり、卵においてはほとんど影響がありません。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。