【花粉症最前線2018】今年の花粉はいつからいつまで?傾向と対策を専門医が徹底解説
2月15日に東京都内でスギ花粉の飛散開始が発表されてからというもの、気温がだんだんと暖かくなるにつれて花粉の飛散量も日に日に増しています。*1
これからますます勢いを増していきそうなスギ花粉以外にも、ヒノキ花粉など様々な花粉がこれから飛散する見込みです。
毎年のこととはいえ、花粉症にお悩みの皆様にはつらい季節がやってきたといえるのではないでしょうか。
Doctors Meでは2018年花粉症対策特集として、花粉の飛散情報や花粉症の対策など、花粉症にまつわる様々な情報を、アレルギーを専門とする松本先生に解説していただきました。
花粉情報|スギ花粉・ヒノキ花粉はいつから飛ぶ?いつまで続く?

2018年のスギ花粉
一般的にはスギ花粉の飛散時期は以下のとおりです。*2
・東北地区
2月下旬から4月末まで
(ピークは2月下旬から4月中旬まで)
・関東地区
関東地区では花粉の飛散が長く、2月上旬から5月末まで
(ピークは3月中旬から4月末まで)
・関西地区
2月から4月中旬まで
(ピークは2月下旬から3月末まで)
2018年は例年より寒く、スギ花粉は関東以北では3月中旬ごろからピークが始まり、このピークは長くて4月上旬まで続くと考えられています。
昨年は東北・北陸・関東地方はそれほどスギ花粉の飛散量は多くなかったため、特にこれらの地域では昨年と比べて多くの花粉が飛散する状況となる見込みです。
関西以西では3月上旬から3月中旬までがピークと考えられています。
2018年のスギ花粉の飛散量は、全国的にみれば例年並みの見込みです。
2018年のヒノキ花粉
ヒノキ花粉の一般的な飛散時期は以下のとおりです。*2
・東北地区
3月下旬から5月上旬まで
(ピークは4月中)
・関東地区
3月から5月中旬まで
(ピークは3月中旬から4月末まで)
・関西地区
3月中旬から4月末まで
(ピークは4月上旬から中旬まで)
ヒノキ花粉の飛散は全体的にスギ花粉より遅い傾向にあり、2018年の飛散時期は全国的に4月上~中旬と予想されています。
花粉情報|スギ花粉、多くなる要因は?

スギは前年の夏に気温が高く、雨が少ない気候であるとよく育ち、翌春に飛散する花粉の量が多くなるといわれています。
また、前年の花粉飛散量が多いと翌年は減少し、少ないと翌年増加する傾向もあります。
花粉の飛散量が多いとどんな影響がある?
花粉の飛散量が多い年は、飛散開始からすぐに飛んでいる花粉の量が多くなるため、花粉症の症状が悪化しやすい傾向があります。
花粉の飛散量が多いことが見込まれる際には、早めの対策が望ましいでしょう。
花粉情報|今年のスギ花粉の目安! 今年は去年より多い?少ない?
2018年のスギの花粉量の目安となる、2017年10月時点でのスギ雄花の着花量を昨年比・例年比でまとめてみました。*3
昨年比

例年比(過去10年間の平均値との比較)

花粉情報|現在の花粉の飛散量は? スギ花粉・ヒノキ花粉の飛散量速報
2018年のスギ花粉・ヒノキ花粉の飛散量を速報値でまとめています。*4
スギ花粉の飛散量(2月27日現在)

ヒノキ花粉の飛散量(2月27日現在)

花粉情報|スギ・ヒノキ以外にはどんな花粉がある?様々な花粉の飛散時期まとめ
おもな花粉の飛散時期カレンダー

スギやヒノキ以外にも、花粉症を起こす植物にはハンノキ、シラカバ、イネ科、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどがあります。
それぞれの植物の花粉の飛散時期は以下のとおりです。*2
・ハンノキの花粉は関東地区では3月中旬から4月中旬まで
・シラカバの花粉は北海道地域で4月下旬から6月上旬まで
・イネ科の植物の花粉は関東では5月上旬から6月中旬まで
・ブタクサの花粉は8月下旬から9月末まで
・ヨモギの花粉は9月上旬から中旬まで
・カナムグラは9月から10月まで
花粉症対策|こんな症状も花粉症? 意外な症状に注意

くしゃみ・鼻水・鼻づまりが花粉症の三大症状とされますが、目のかゆみ、涙、充血などの目の症状も一般的です。
これらの一般的な症状の他に、花粉症によって以下の症状が出ることもあります。
・下痢
・ボーっとする、熱っぽくなる
・呼吸困難
・耳のかゆみ
・頭重感
・眠気
また、シラカバやイネ科の花粉症の場合は、果物や野菜で口の中がかゆくなったり腫れる症状(口腔アレルギー症候群)が現れることもあります。
花粉症対策|花粉症の自分でできるケア方法は?

食事と生活を改善する
アレルギーとは体の免疫の異常反応です。
小麦、糖質、質の悪い乳製品、質の悪い油、殺虫剤や農薬を含んだ食べ物、添加物などの過剰な摂取や、不眠や精神的ストレス、運動過不足などは腸粘膜のバリアを破壊し免疫系のバランスを崩す(リーキー・ガット症候群)ことが知られています。
なお、発酵食品は発酵食品は一般的には腸内環境を整えるのによいとされますが、ヒスタミンが多いため、花粉症の場合はかえって症状が強くなることもあります。ヒスタミンを産生しない善玉菌を使うのもよいでしょう。
外出時はできるだけ花粉を避ける
晴れて風が強い日は、昼前から15時ごろまでは外出しないか、マスク・ゴーグル・帽子などをつけるように心がけましょう。
他には、ツルツルして花粉が付きにくい素材の服を着るのがよいでしょう。特にマスクは鼻を保湿、保温してくれるので効果的です。
室内の花粉を減らす
窓を開けず空気清浄機を使用することや、掃除機をかける前に床や畳を拭き花粉を巻き上げないようにすることが大切です。
また、ソファーやカーテンや家具も掃除する、外出から戻ったときには家に入る前に服をふるう、すぐに手や顔を洗ったりうがいをするなどの工夫も必要でしょう。
雑草を刈り取る
イネ科などの雑草の花粉は、原因となる草を刈り取ることで減らすことができます
目を冷やす
花粉症の目の症状が強いときは、冷たいおしぼりなどで目を冷やすと症状が改善します。
花粉症対策|花粉症は病院に行くべき?病院に行ったらどんな治療を受けられるの?

以下のような場合は、医療機関を受診した方がよいと考えられます。
・他の病気の治療中
・本当に花粉症なのかどうか、はっきりしない
・黄色い鼻水が出ている
・吐き気や熱やだるさなど鼻や目以外の症状がある
・症状がひどくて長い
・市販薬で改善しない
・妊婦や授乳婦
・18歳未満
医療機関での治療
花粉症の症状を軽くする薬として抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、ステロイド剤などがあります。
・初期療法
花粉が飛散し始める前や、花粉症の症状が出る前から服薬を始めることで、症状の発症を遅らせ、花粉のピーク中も症状が軽くて済みます。また、全体としては必要な薬の量を減らすこともできます。抗ヒスタミン剤や抗ロイコトリエン剤を使います。
・導入療法
花粉症の症状が強くなってしまってから治療を始める場合は、ステロイド剤を飲んだり点鼻することがあります。
・維持療法
初期療法や導入療法で、ある程度症状を抑えられた状態を保つための治療で、抗ヒスタミン剤やステロイドの点鼻薬を使います。
・免疫療法
花粉症の原因となっている抗原を少しずつ量を増やしながら体に入れて、体の反応を弱めていく方法で、注射する場合や、舌の下から吸収させる方法があります。
治療には2-3年間かかりますが、約70%の人に有効で、症状を抑えるのではなく根本的に治す可能性がある治療法です。特に最近は舌下免疫療法が保険適用となったこともあり、少しずつ広まっています。
最後に松本先生から一言
「全ての病気は腸から始まる」とは、今から2000年前のギリシャの医師ヒポクラテスの言葉ですが、花粉症も腸内環境の整備が根本的な治療法といえます。
スギにもヒノキにもヨモギにも、通年性アレルギー性鼻炎の原因であるダニにも、全てに効くのは腸内の状況を改善して自分の免疫状態を正常化することです。
「一病息災」、花粉症は自分の体を見つめなおし、食事や生活を改善するよいきっかけかもしれませんね。
参考資料
*1 東京でも花粉飛散開始 花粉症の方は対策を万全に(ウェザーニューズ)
*3 【報道発表】平成29年度スギ雄花花芽調査の結果について(環境省)
【監修:医師 松本 明子】
プロフィール)
1968年生まれ、鳥取大学医学部卒業。広島の病院で内科勤務した後、2009年~海外転出し、アメリカで予防医学を学ぶ。
2013年~「DNA Diet and Lifestyle遺伝子に沿った食事と生活」という、オンライン健康プログラムにより自然治癒力を最大限に引き延ばす、老化と病気の予防と治療のための健康指導を行っている。