森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 裁量労働制はどこが問題か (2/2ページ)
1つは、絶対評価の給与制度を導入することだ。仕事の企画・営業を個人に任せると、暇な人と忙しい人に二極化する。忙しい人は、仕事を抑制しにくい。断ったら、後の受注がなくなるからだ。その時、固定給だったら、勤労意欲を失ってしまう。裁量労働制は生死の境まで働く可能性のある仕組みだから、せめてお金で報われなかったら、やってられないのだ。
もう一つの条件は、ノルマを課してはいけないということだ。
ノルマを課して裁量労働制を導入すると、残業代なしの長時間労働を招く。賃金を成果主義にすれば、仕事が取れないときのペナルティーは、年収減という形で突き付けられる。わざわざノルマを課す必要はないのだ。国会は、こうした裁量労働制の本質をまず議論すべきだろう。