志尊淳「ドルメンX」ヒリヒリした快作の予感 (2/2ページ)

日刊大衆

確かに“推し”が、世間的には外見が少し劣っていても、愛嬌や仕事への姿勢など、その人物を知れば知るほど愛しさを覚えてしまうものだ。私自身もオタクであるからこその感覚であると思うが、そうなるともう最後。なんでもかんでも「かわいい」と思ってしまうものだ。

 推しに人気がなくとも「自分だけは彼の良さに気づいている」という感情さえも芽生えてしまう。余談ではあるが、私の周りには、人気がイマイチの俳優やアイドルばかりを応援する人もいるぐらいだ。そういった人たちは、推しに人気が出た途端に「遠くに行ってしまったような気がする」と、スッと冷めてしまうこともある。

 男性アイドルというものは、ぱっと見、日常では着ないような派手な服をまとい、甘いセリフを吐き、ダサくてクサい歌詞の歌を歌うというイメージが強い。それらをバカバカしいと思う人もいるだろう。

 しかしオタクである我々は、そういった「求められるアイドル像」を必死に演じきる彼らに共感し、苦悩しながらも努力を続ける姿に母性本能をくすぐられ、その成長していく姿を応援をしたくなるのだ。「かっこいい」とは、そういうことなのだと思う。

 そう思うと、チープに演出されているドラマのオープニングでさえ、「男性アイドル」を演じているという“アイドルの生き方そのもの”を表現しているように感じてくるから不思議である。

 原作漫画は、アイドルの苦悩や現実がさらに過激に(時にグロテスクな表現方法で)描かれ人気を得た。一度でも夢を必死に追いかけた経験のある人であれば、そのつらさも、努力しても叶わない現実に苦しい思いをしたことも共感できるだろう。そんな彼らが心情を吐露する場面には、つい目を背けたくなるほど胸がヒリヒリしてしまう。

 アイドルや俳優が好きな人だけでなく、「夢を追いかけている人、夢を追いかけていた人たち」にもぜひオススメしたい『ドルメンX』。17日放送の第2話では、無事『ドルメンX』として活動することになった彼らが路上ライブをすることになり、さらにアイドルの厳しさにぶち当たる。今をときめく若手俳優たちが描く、トップアイドルへのリアルな成長物語がこの春、話題を呼びそうだ。

(オタク文化ウォッチャー/椿みつこ)

※画像は日本テレビ系ドラマ『ドルメンX』の公式インスタグラムアカウント『@dolmenx_ntv』より

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