クラゲを空手チョップ!ウミガメは手のように器用にヒレを使う(米研究)
ウミガメは進化によってヒレを手のように使えるようになり、クラゲを掴んだり、空手チョップまでお見舞いしたりできるようになったそうだ。
その貴重な瞬間をとらえた映像が公開されていた。
Hungry Turtle Eats Lion Mane Jellyfish
・ヒレを手のように使うウミガメ
従来、ウミガメは器用に物を操ることなどできないと考えられてきた。できるのは、ただヒレで泳いだり、方向転換したりすることくらいだというのが一般的な考えだったのだ。
しかしカリフォルニア州モントレー湾水族館の研究者たちは、その生態を撮影し続けたところ、実は彼らが驚くほど器用なのだということを知った。
ウミガメは餌となるクラゲに空手チョップを食らわせて運んだり、海底のホタテを転がしたり、サンゴにしがみついて海綿を食べたり、サンゴを梃子にして緩んだイソギンチャクを剥ぎ取ったりしているのだ。

・ウミガメのヒレの使い方は様々
ここでは8種のヒレの使い方が確認された(持つ、掘る、打つ、投げる、梃子(てこ)にする、払う、囲う、叩く)。
さらに食べた後に”指”を舐めるかのような仕草まで確認された。
モントレー湾水族館の科学ディレクター、カイル・バンホータン博士は、「ウミガメは手足を独立して動かせるほど前頭皮質が発達しておらず、社会的学習も行いません」と話す。
「にもかかわらず、まるで子供がやるように、”指しゃぶり”をしている姿を目撃しました。これは進化の重要な側面、すなわち機会が適応を形作ることを示しています」

調査では3種のウミガメ(アオウミガメ、タイマイ、アカウミガメ)が研究された。
似たような行動は、セイウチ、アシカ、マナティ、ラッコといったヒレのような手足を持つ海洋生物でも観察されてきた。
しかし爬虫類の小さな脳を鑑みると、ウミガメのこのような器用さは予想外だった。『PeerJ』に掲載された本研究は、海洋の四肢動物の進化に関する洞察を与えてくれるとともに、「生まれか、育ちか」に関する疑問も投げかける。
・親に教えられずとも手の使い方を覚える
「こうしたことは知能や適応能力の高い社会的動物に起きるものだと思っていました。ウミガメはそうした動物ではありません。親の顔を見ることなどありませんので、母親から躾けられることもないのです」とバンホータン博士は付け加える。
「教えられることなく、そうした使い方を覚えるとは驚きです。しかもヒレはそうした用途にうまく適応しているわけでもないのです」

主執筆者のジェシカ・フィジー氏は、「ウミガメの手足は主に移動のために進化したもので、獲物を扱うためのものではありません。ですが、彼らの行動はそれが一番効果的でも効率的でもないとしても、そのように使っていることを示唆しています。ぜんぜん使わないよりはマシです」と述べている。
References:storytrender / telegraph/ written by hiroching / edited by parumo