複合機が過去最大赤字 M&Aでつまずいたリコーの暗中模索 (1/2ページ)

週刊実話

複合機が過去最大赤字 M&Aでつまずいたリコーの暗中模索

 コピーやファクス、スキャンなど複数の機能を持つ複合事務機において、日本メーカーは世界シェアの8割弱を占めトップランナーとしてリードしてきた。しかし、そんな日本の事務機器メーカーが、厳しい経営環境にさらされ始めているという。将来、経営が不透明となる企業も出るなど、急ピッチでの事業再建が迫られているのだ。
 複合機メーカー関係者が、その苦境の背景をこう明かす。
 「米大手調査会社IDC(インターナショナル・データ・コーポレーション)によると、世界の複合機出荷額は2008年頃には日本円で3兆円規模でした。ところが、リーマン・ショック後に経営の厳しくなった企業がコスト削減で軒並み複合機の使用を抑えて節約し、大きなダメージを受けたのです。その後、ITの進化による書類の電子化、ペーパーレス化がさらに進み、複合機メーカーは従来のビジネスモデルが崩壊しつつあるのです」

 国内事務機器メーカーの中でも、それが顕著に出ているのが、複合機依存度が高いリコーだ。リコーは今年に入り、'18年3月期の連結業績見通しを急遽引き下げた。それによると、連結最終損益が1700億円の赤字(前期338億円の黒字)。営業利益も200億円の黒字としていた従来の予想から一転、1600億円の赤字となり、過去最大となった。
 「赤字の最大の理由は、'08年に1600億円で買収した米事務機販売大手、アイコンオフィスソリューションズの低迷による1400億円の減損処理のためです。リコーは昨年、北米を中心に5000人以上の人員をリストラしたが、今後もさらに削減を進め、業績回復を目指すといいます」(経営アナリスト)

 リコーの複合機は世界で約19%、国内では27%のシェアを占め、複合機を含めたオフィスプリンティング関連の売上高が全体の過半を占める。そのため、複合機の不況は直に経営に影響するのだ。
 また同社では'16年4〜12月期連結決算で売上高が前年同期比10.6%減の1兆4694億円。'17年3月期は業績予想を二度にわたり下方修正し、その業績悪化の責任を取って当時の三浦善司社長(現・特別顧問)が退任、現在の山下良則社長に交代したばかり。その山下社長のもと、事業所の閉鎖や銀座本社を大田区に移転するなどして経営のスリム化に取り組んできた。

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