森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 財務省の完全犯罪 (2/2ページ)
しかし、仮に財務官僚への刑事責任追及が法律の不備でできなかったとしても、決裁文書改ざんの責任を財務官僚に取らせる手段は残されている。懲戒処分だ。財務官僚は、決裁文書改ざんを大臣にも隠していたということになっている。そのことによって、麻生氏は国会で陳謝を繰り返し、政権が危機に陥ったのだから、改ざんに関わった財務官僚を即刻、懲戒免職にすべきだし、それはすぐにできるはずだ。ところが、そうした動きもまったくない。
また、麻生氏自身も、これだけの不祥事を起こしながら責任を取って辞任する気配をみせていない。実は麻生氏は自らの派閥を確実に増やして、すでに自民党内の第二派閥に成長させている。安倍政権が崩壊ということになれば、総理への返り咲きは無理でも、事実上の支配者になることは十分可能だ。このまま行けば、財務官僚と財務大臣の完全犯罪が成立するのだ。