数学で割り出した脳モデルで明らかに。人間の脳は最大11次元の構造を持っている(スイス研究) (2/4ページ)
「ほんの小さな脳の小片にすら、7次元にも達する対象が数千万もあります。一部のネットワークでは最大11次元もの構造すら発見されました」
はっきりさせておくと、これは空間の次元のことではない。そうではなく、神経細胞クリークの結合のされ方を究明するための、見方のことを言っている。
ネットワークは、網羅的に結合されたノード集合(クリークと呼ばれる)の観点から分析されることがよくある。そしてクリークの中の神経細胞の数がその大きさ、より正式に言うなら次元を決める。論文ではそう説明されている。

・デジタル脳モデルの完成に一歩近づく
ヒトの脳には実に860億もの神経細胞があると推定されている。各細胞は網の目のようにあらゆる方向へ向かって幾重にも結合し、巨大な細胞ネットワークを形成しては、これがどういうわけだか思考や意識といったものを作り出す。
このような膨大な結合が連携して機能するのだから、我々が神経ネットワークの機能を完全には理解していなかったとしても不思議はない。
しかし今回の数学的フレームワークによって、デジタル脳モデルの完成に一歩近づいたのかもしれない。
数学的な検査を行うために、研究チームは2015年にブルー・ブレイン・プロジェクトが発表した新皮質モデルを採用した。新皮質は脳で直近に進化した部分で、認知や知覚といった高次機能のいくつかに関与している部分だと考えられているものだ。
数学的フレームワークを開発し、それを視覚刺激でテストした研究チームは、ラットの本物の脳組織でもその結果を確認することに成功している。
研究者によれば、代数的位相幾何学は、個々の神経細胞レベルという顕微鏡視点と脳の構造全体という望遠鏡視点の両方から神経ネットワークの詳細を調べるツールとなる。