吐き捨てられたガムがアートに変身!ロンドンの路上を彩る小さな小さなチューインガム・アート (2/4ページ)
『路上のガムがカンバスなら、作品を展示するギャラリーは不要、誰の所有物でもないゴミに描くので許可も不要、法も犯さない!』と、ベンさんがチューインガム・アートの制作を開始したのが1998年のこと。
やがて『フルタイム』のチューインガム・マンとして活動をはじめたのが2004年。この頃には地元ではすっかり有名人となり、マズウェル・ヒルの『名物アート』を生み出すアーティストとして地元住民から愛される存在になっていました。そして今ではBBCをはじめとする多くの大手メディアからの取材を受けるほど認められています。
筆者もマズウェル・ヒル周辺でベンさんの制作現場に遭遇したことがありますが、ペイントだらけの衣服で地面に横たわり、黙々と作業をするベンさんの手元を覗き込むと、にこやかな笑顔を返してくれたのが印象的でした。それからというもの、この街を訪れる度に下を向いてチューインガム・アートを探すのが楽しみになりました。
風化してしまったチューインガム・アートのそばには、また新たなアートが生まれます。
ガス・バーナーでガムの表面を温めてから固め、その上に細かな絵を乾かしながら重ね描きし、最後にコーティングするという作業は、ひとつ数時間から10時間もかかるものもあるのだとか。
ロンドン各所に作品を残しているベンさんですが、マズウェル・ヒルのほかに、特に多くの作品が見られるのがロンドン中心部のテムズ河にかかる「ミレニアム・ブリッジ」です。