“老活のススメ”スペシャル対談「弘兼憲史×加藤一二三」(1)対局時の食事は40年間うな重 (2/2ページ)

アサ芸プラス

弘兼 加藤九段は、対局中に相手側の盤面に回り込んで見る「ひふみんアイ」が有名ですが、あれは何か意図があったのですか?

加藤 あれは昭和54年2月7、8日の王将戦、中原名人との対局でした。中原名人が席を離れた時、反対側の席に回ってしばし盤面を見たら、すばらしい手が浮かんできたんです。

弘兼 相手の視点から考えたのですね。

加藤 その手を指したら、中原名人に勝って、王将を獲得できました。

弘兼 それはすごい。ネクタイを長めに結んで戦うスタイルも独特と言われていますよね。

加藤 あれもたまたま長く結んで戦ってみたら、すごく気分がよかったので、それが習慣になりました。

弘兼 おもしろいですね。こだわりといえば、対局中の昼食も話題になりますが、加藤九段はうなぎを好んで食べられたとか。それはゲン担ぎですか?

加藤 そうではありませんが、私の場合、一度決めたら長いこと変えない性格で、昼と夜の食事でうな重を食べる生活を40年間続けました。

弘兼 夜もですか?

加藤 正確に言うと、昼がうなぎ2匹のうな重で、夜は3匹のうな重です。夜の戦いはおなかがすきますからね。うなぎのいいところはおいしくて、腹持ちがいいことです。お寿司もおいしいのですが、すぐにおなかが減ってしまいます。

■弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)勤務を経たのち、74年に漫画家としてデビュー。現在、「島耕作シリーズ」や「黄昏流星群」を連載するほか、作家、ラジオのパーソナリティーとしても活躍中。「新老人のススメ」(小社刊)など著書多数。

■加藤一二三(かとう・ひふみ)棋士九段。1940年、福岡県出身。早稲田大学中退。第40期名人。仙台白百合女子大学客員教授。54年、当時の最年少記録となる14歳7カ月で史上初のプロ棋士となる。17年6月の引退まで、62年10カ月にわたりプロ棋士として活躍。00年紫綬褒章を受章。通算成績は2505戦1324勝1180敗1持将棋。現役引退時点で勝利数は歴代3位、対局数と敗戦数は歴代1位。近年は「ひふみん」の愛称でバラエティー番組など多くのメディアに出演。

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