海外で過ごす時間が長いほど、自信や自己が確立される(米研究) (2/3ページ)
後者は例えば、「自分と他者との関係は、自分自身の価値によって結ばれたものであるか、それとも周囲の人間の価値によって結ばれたものであるか」や「自分のパーソナリティは自分が何者であるかによって決められるものか、それとも育った文化によって決められるものであるか」といった質問で構成されていた。
すでに海外で暮らした経験があった参加者は、将来的に計画があってもその時点では国内暮らしの参加者よりも自己概念が明確であった。
そして、このことは自己識別の投影スコアの高さによっても統計的に説明された。つまり、海外暮らしが長いほどに自己識別の投影が高まり、そのために自己概念がより明確になることを示唆している。

・行った国の数より過ごした時間の長さが重要
同チームによる別の研究には、様々な国出身の学生が参加したものなどがあったが、これらの結果を総合して、住んだことのある国の数よりは、海外で過ごした時間の長さの方が、自己概念の明確さの確立につながると結論された。
自己概念の明確さには実質的なメリットもあり、例えば、海外暮らしが長い留学生は将来のキャリアについてはっきりとした意識を抱いていることが多かった。
さらに別の研究から、海外暮らしをしていると、自分について「大胆」といった言葉で形容するようになるといった影響も明らかになっている。
しかし今回の研究は、海外で暮らすと慣れ親しんだ文化環境から離れることになるために、自分にとって本当に重要なこととそうでないことに向き合うようになると示唆している。
アダム氏らはドイツの哲学者ヘルマン・カイザーリングが記した1919年の著書『Travel Diaries of a Philosopher(ある哲学者の旅日記)』から一文を引用し、結論としている。