砂漠を這いながら動き回るユニークなサボテン「地を這う悪魔」
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メキシコ北西部のバハ・カリフォルニア・スル州には変わった特性を持つサボテンが存在する。
地元ではクリーピング・デビル(地を這う悪魔)と呼ばれていて、成長すると片端だけが伸び、枯れたほうの体の一部を切り捨てながら、時間をかけて砂漠を動き回るのだ。
・和名は入鹿(いるか)
学名Stenocereus eruca(和名:入鹿)というこのサボテンは、メキシコ北西部のバハ・カリフォルニア・スル州固有のユニークな植物で、動き回るサボテンとして知られている。
ちなみに和名の「入鹿(いるか)」は、日本にこれを持ち運んだ学者が、「サボテンの横たわる姿が、蘇我入鹿(そがいるか)が倒れる姿に似ていたから」この名になったと言われている。「地を這う悪魔(クリーピング・デビル)」より幾分マシかもしれない。

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・生き残るため。砂漠を移動する独特な能力
空に向かって垂直に成長するほかの一般的なサボテンと違って、このサボテンは先端だけをわずかに上げて地面に這いつくばって生きる。
こうした体勢が、この植物が単独で生き残るのに大きな役割を果たしているだけでなく、長い年月の間に自らの力で砂漠を移動する独特な能力を育んだ。
この地域が寒冷な海洋気候だった時代、クリーピング・デビルは毎年約60センチほど成長し、その棘だらけの幹で近寄る者を阻む大きなサボテン群を形成していたと思われるが、乾燥した気候になると、その成長率が10年に60センチというペースに落ち込んだ。
バハ・カリフォルニア・スルという限られた環境になっても、この多肉植物は受粉媒介者の助けをかりることなく、自分で自分のコピーを作るという生き残り策を選んだ。
地面と平行に這うように成長しているうちに、クリーピング・デビルの幹は先端に向かって根をはるようになり、砂の多い土壌にしっかりと根づくと、後方の古い部分が死んで腐り、最終的に新しい幹が育つための栄養分になる。
こうしたプロセスを経て、このサボテンは長い間に砂漠を這いまわることができるようになった。ある意味、このサボテンは生き延びるために死ななくてはならないとも言える。

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・現在は絶滅危惧種植物
クリーピング・デビルはとても魅力的な植物だが、現在、絶滅の危機に瀕している。希少種ゆえに、サボテンマニアが莫大な金額を投資して、自分の庭の多肉植物コレクションに加えようとするのだ。
闇市場で4000~5000ドルで売られることもあるという。だが、違法取引だけがこのサボテンが直面している脅威ではない。
棘だらけのサボテンが地を這って広がり、バリケードのようになってしまうため、草を食む家畜にとって厄介な存在なのだ。

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農場主がその都度このサボテンの群生を破壊したり、作物の農地を整えるために根こそぎ駆除してしまうこともある。
クリーピング・デビルは、現在メキシコの絶滅危惧種植物のリストに入っている。
ここ数年と同じような状態が今後も続いたら、このユニークなサボテンはバハ・カリフォルニア・スルの海岸を横切ることができなくなるかもしれない。余計なことをしなければ、100年は生きられるだろう。
Succulents: Stenocereus Eruca The Creeping devil
References:wikipedia / odditycentral/ written by konohazuku / edited by parumo