「ご当地アイドル」自殺を巡ってネットに充満した怒り

まいじつ

buri / PIXTA(ピクスタ)
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2018年3月21日、愛媛県松山市を活動拠点にする農業アイドル『愛の葉Girls(えのはがーるず)』メンバーだった大本萌景(おおもと・ほのか)さん(享年16)が、自宅で首を吊り亡くなった。

大本さんはアイドルグループ『ももいろクローバーZ』が好きで、アイドルに憧れて中学2年から『愛の葉Girls』の研修生になり、中学3年でレギュラーメンバーに昇格していた。だが、運営会社である農業生産法人『hプロジェクト』の方針で学業が大幅に制限されていたことに悩んでいたという。

大本さんは、高校1年で火曜日と日曜日が登校日の通信制高校に進学したものの、愛の葉Girlsの仕事で、特に日曜日はイベントに出掛けなければならないことが多かった。大本さんから仕事を休みたいと事務所スタッフへ連絡しても、相談に乗るどころか《お前の感想はいらん。学校の判断と親御さんの判断の結果をそれぞれ教えろ》などと高圧的なLINEの返信が続き、許可されないことが複数回あった履歴が残っている。母親への返信には《この相談は萌景本人からじゃないと聞けないことになっています》と取り合うこともしなかったという。

その後も、大本さんは「いま学校を辞めると、わたしに何も残らなくなります」、「正直いま、学校のことも契約のこともどうしたらいいか分からないです」と事務所に相談するも、「そもそもお前はそういう特別な存在になりたかったんだろ? だから愛の葉に応募したんだろ? 全国的なアイドルになりたいんだろ? 最初の気持ちを忘れるな」と突き放した言葉を出すだけだったという。高校進学のやり直しを決意して事務所からギャラの前借りを頼んだところ、拒否されたこともあったそうだ。

そして、3月21日に大本さんは自ら命を絶った。その日は愛の葉Girlsの活動があり、大本さんは母に「社長に会うのが怖いんよ。怖いけん、行きたくないよ」と暗い顔で話していたそうだ。

亡くなる直前、大本さんは出先から事務所の社長に電話をして、切ったあと一緒にいた友達に、「謝らされた、わたしは何も悪いことしていないのに謝らされた」「なんでわたしが謝らないかんの? 本当に社長に裏切られた」と話していたそうだ。さらに大本さんが一緒にいた友達とそのお母さんに、「わたしの(愛の葉Girlsで活動した)2年間は何だったんだろう、夢を返してほしい」「社長に裏切られた。社長に1億円を払うように言われた」と話していたという。1億円というのは、社長が“違約金”をにおわせたために出た発言のようだ。

事務所はHPに説明文を掲載も…

この記事が『文春オンライン』に掲載されると、インターネット上では事務所の対応に怒りを露わにする多くの投稿があった。

《これマジなの?ドクズ過ぎんだろ》
《事実ならこれは犯罪。》
《要するにヤクザじゃん》
《この芸能事務所の責任あまりに重いでしょう。読みながら怒りに震える思い。こどもをこういう風に利用して商売するなよ。。。。》
《惨くて言葉もない。個人的感想ですけど、子どもひとり自殺に追い込んでおいて、アイドル事務所を平然と続けられる神経、信じられませんね。》
《何が真実かは分からないけど、一人の女の子の心に寄り添えなかったのは事実。同じことは決して繰り返してはならない。。事務所をやってる人は自己愛に偏ってないか、自分を冷静に振り返ってほしいです》

この報道に対して事務所はホームページ上に説明文を掲載し、次のように記している。

《弊社の代表佐々木が故人に対して1億円を要求したかのように書かれておりますが、そのような事実はないことを断言させて頂きます。
故人に対しては高校入学に必要な入学金や制服代を貸し渡しましたが、ご遺族からその返金は受けておりません。》
《現在、亡くなった理由は弊社にあると決めつけた上で、ネット上に脅迫文言や誹謗中傷を書き込んだり、業務妨害を目的とする電話をかけ続けたりという例が相次いでおります。
脅迫・名誉毀損・業務妨害等の違法行為につきましては、現在、警察に相談し、弁護士を通して法的手続をとる様、進めております。》

しかし、掲載した文章のなかには大本さんへの追悼の言葉がなく、自らの対応に非がないこと主張しているのみだ。

亡くなった大本さんが見たらどう思うだろうか。

【画像】

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