天才テリー伊藤対談「小林亜星」(1)西城秀樹はロックミュージシャンだ (2/2ページ)
で、プロデューサーの久世光彦さんが「デブなら亜星がいるじゃないか」と(笑)、当時、音楽の仕事でTBSに出入りしていた僕に声がかかったんです。
テリー だけど、亜星さんはそれまで役者なんてやったことありませんよね?
小林 ないですよ。だから最初は断ったんですけど、「セリフはほとんどないから」とか、久世さんにうまいこと言われてね。そんなの最初だけで、案の定どんどんセリフが増えていって(苦笑)、我ながら下手くそで、見るのがイヤだったなァ。
テリー でもね、そこが話し下手の職人みたいで、リアルに感じられましたよ。
小林 本当に? まァ、頑固親父の役だから、よかったのかもね。ただ、いつも取っ組み合いのケンカをしたり、家を壊したりするでしょう? それで一度、息子役の(西城)秀樹を投げ飛ばしたら、庭のところに置いてあった釘の出た板か何かに秀樹が手をついて大ケガしちゃって。救急車で運ばれたことがあったの。
テリー あららー。
小林 あの時は、女学生から手紙が山のように来て、「お前の大事なところを引っこ抜くぞ」なんて書いてあってさ(笑)、いや、あれにはマイッた。
テリー 残念ながら、西城さんは先日お亡くなりになりましたけど、亜星さんにとって、どんな人だったんですか?
小林 みんな彼の歌がうまいのは知っていると思うけど、ロックミュージシャンとしても最高の知識と腕を持っていましたね。当時は売り出す方法がアイドルぐらいしかなかった時代だから、ああいう形で人気者になったけども、もっとミュージシャンの部分を知ってもらえる機会があればよかったな、と思うんだけど。そこに関しては、ちょっともったいなかったですね。
テリー 考えてみたら、こんな豪華な顔ぶれのドラマって、今だと考えられないですよね。加藤治子さん、梶芽衣子さん、樹木希林さん、伴淳三郎さん、由利徹さん、左とん平さん‥‥。
小林 そう言われてみると男性キャストはけっこう亡くなられた方が多いね。寂しくなったなァ。