数分後の未来を予知できるソフトウェアが開発される(ドイツ研究)
image credit:University of Bonn
これから打ち込みたい文字を予測するテクノロジーをほとんどの人が使っているだろう。予測変換というやつだ。
だが、もうすぐこうしたソフトウェアは未来の行動すらも予測するようになるかもしれない。それは指示される前にモーニングコーヒーを用意してくれるような、ロボット執事のような役割を果たすものだ。
ドイツ・ボン大学のコンピューター科学者が開発した処理法は、コンピューターによる未来予測の限界を押し広げることに成功した。
・事前に行動を見せて最大5分後の未来を予測
「物事が起きる数分前あるいは数時間前に、それが起きるタイミングと長さを予測したいと思っています」と研究チームリーダのユルゲン・ガル氏は話す。
その目的は、人が朝食やサラダを用意する動画を見せて、プログラムが最大5分後の未来の行動を予測できるようになるかどうか確かめることだ。
実験ではプログラムにいくつか動画を見せた後で、別の人間が似たような食事を用意している場面を見せて、次の行動や長さを推測させた。
When will you do what? - Anticipating Temporal Occurrences of Activities (CVPR 2018)
人間にとってはさほど難しいことではない。誰かがボウルとシリアルをつかめば、おそらく5秒後には牛乳やスプーンを探すはずと想像がつく。
だがコンピューターはこうした推測が苦手だ。
・すぐ先の未来なら40%以上の精度で達成
研究チームは、異なるニューラルネットワークを用いて、2つのアプローチを試してみた。1つは、未来の行動を予測させ、再び予測する前に評価させる。もう1つは可能性を処理する前に、マトリックスを作り上げるやり方だ。
ご想像の通り、遠い未来を予測しようとするほどに、間違いは増える。
「すぐ先の未来なら40%ト以上の精度を達成できましたが、それ以上先を予測しようとすると精度が低下しました」
評価アプローチは、20秒先の予測であればマトリックスアプローチよりも好成績を残した。しかし40秒後の未来であれば、両アプローチにほとんど差はなかった。また最も先の未来予測として3分先を推測させると、およそ15パーセントの精度で行動と長さを的中させることができた。

image credit:youtube
・人工知能に予見力を
さほど感銘は受けないかもしれないが、これは将来の人工知能に人間並みの予見力を備えさせる上で確固たる足がかりとなるものだ。
最終的なゴールは、プログラムをトレーニングすることなく十分な体験をもたらすことだ。やるべきことは多岐にわたっている。
映画『マイノリティ・リポート』のような犯罪を予知して防止するような未来は忘れよう。そのような心配をしなくてはいけなくなるのは、とんでもなく先のことだろうから。現在最高のアルゴリズムでさえ、初犯はおろか、再犯の予測にすら苦労しているのだ。
今回の研究からつながりそうなことと言えば、自動運転車の挙動を向上させたり、冷蔵庫からピザを取り出した瞬間にオーブンのスイッチを入れたりするようなことだろう。
References:uni-bonn / eurekalert /