命を救ってくれただけじゃなく、一番の心配事まで取り除いてくれた。救急隊たちの愛に溢れた行動とは?(アメリカ)
メリッサ・アン・ワークさんと夫のジーンさんはフロリダ半島の西側、パスコ郡で暮らしている。だが、ある日、ジーンさんが心臓発作を起こして倒れてしまった。
救急要請に応えて駆けつけてきたのはパスコ郡の消防・救急隊である。病院へ緊急搬送されたジーンさんは一命を取りとめた。
彼らはジーンさんの生命を救っただけではない。ジーンが倒れた原因となった最大の心配事であり大変な作業をすべてやっておいてくれたのだ。
・暑い夏の日の重労働、突然の心臓発作
7月はじめのその日、ジーンさんはメリッサさんの義弟に手伝ってもらって家の表側の芝生を張り替えようとしていた。外仕事に向いた季節ではないが、ジーンさんには急がなければならない理由があった。
地元の管理組合から、芝生を整備しないことで多額の罰金を課される寸前だったのだ。その日、注文した芝のうち、最後の荷となったパレット4枚分が届いたのである。
しかし、どんな理由があろうと、暑い中での外仕事はジーンさんの身体には大きな負担であった。そしてついに心臓発作を起こしてしまったのだ。
・芝が枯れてしまう!心配で心配で....
家に運び込まれ、出動要請を受けた消防・救急救命士が駆けつけてくるまでの間も、ジーンさんは芝のことを気にしていた。
彼にとっては今一番の心配事なのである。メリッサさんはこう書いている。
心臓発作を起こしている間、文字通り何度も意識を失いながら、彼は私に芝のことを頼んでいました。『何とかして植えてくれ、さもないと枯れてしまう、枯れてしまう...』と。
大きな発作の中、彼の唯一の私への頼みごとがそれだったのです。それが全てだったのです。私は彼をなだめて『大丈夫、神様がきっと助けてくださるわ』と言い続けました。
そして消防・救急隊が到着した。
すぐさまジーンさんを病院へ運び込み、メリッサさんも付き添った。
・なぜかまた戻ってきた救急車と消防車
ジーンさんの弟(メリッサさんの義弟)さんは、2歳になる自分の娘と共にワーク家に残った。弟さんが一晩かけて芝生の張替えを終わらせてしまうつもりだったのだ。
ところが...
古い芝生を剥がし終わり、新しい芝を植え始めたところで、大型車のエンジン音が近づいてきたのだ。先ほどジーンさんを運んでいった救急車と消防車である。
彼らはまた戻ってきたのだ。「いったい何をしに来たのか?」 弟さんが考えるうちに、ワーク家の前に停まった車から、消防士たちが飛び降りた。
・消防士たちは芝の作業を手伝うために戻ってきた
なんと!
驚いている弟さんを尻目に、手袋を装着した消防士たちは、次々と新しい芝を並べ、植えつけていったのだ。
夜中までかかるかと思われた大変な作業だったが、消防隊たちの連携した作業で、見る見るうちに芝生は張り替えられていく。
そして地面は青々とした美しい芝で覆われたのである。
・助けが必要だと思った。ただ助けたかった。
消防士たちは、ジーンさんが芝を気にしていることに気がついていた。そして、今後何週間も、自分ではその作業ができないであろうこともわかっていたのだ。
だから、代わりにその作業を終わらせ、病人の心を安らかにしようと戻ってきたのである。
消防士たちが戻ってきてくれたのです!夫の命を救い、搬送し、そして芝生まで救ってくれたのです!
ジーンさんが芝生を気にするのにはそれだけの事情があった。管理組合に罰金を課せられそうなこと、妻のメリッサさんは来月骨髄移植を受ける予定であること、芝を買うためにジーンさんのお気に入りの銃を質入れしたこと、小家族でずっとやってきていること。
だが、そこまでの事情は消防士たちには知る由もないことなのだ。
彼らは単に助けが必要な人、助けが必要な物事を見て、私たちのためにやってくれたのです。職務には全く含まれていないのに。
言葉もありません。ただ涙がこぼれます。
メリッサさんは、消防士たちに感謝を伝えたい、その名誉ある行いが全世界に知られてほしい、と願ってフェイスブックに投稿した。
その願いは叶ったようだ。数日後には、消防署であの時のチームと再会できたそうである。
また、ジーンさんもゆっくりとではあるが回復の途上にあり、家族は平穏な生活を取り戻しつつあるそうだ。
References: Sunny Skyz / Facebook など / written by K.Y.K. / edited by parumo