「コレジャナイ」昭和のモヤモヤする「合体ロボ」プラモデル
おもちゃ屋に行けば『ガンプラ』をはじめ、塗装も接着も必要のない、誰でもノンストレスで作れる実に良心的なプラモデルが並んでいます。
では、今から43年前のロボットプラモ事情はどうだったかと言うと…。1975年、『ゲッターロボ』や『鋼鉄ジーグ』など永井豪らの原作による合体ロボットアニメが人気を博していた同時期、アリイから発売されていたプラモデル『秘密武器シリーズ2 ターゲットパンチ』をご覧ください。
ナ、ナンダこりゃ!? ロボットの下半身にミサイルを乗せただけの何とも間抜けなデザイン。しかし、こういったヘンなものほど興味をそそられる私は「これを何とかカッコ良く仕上げてほしい」とプロのモデラーに無理を言って制作を依頼、出来上がったのがこちらです。

プロモデラーの技をもってしても、やはり異様な感じがするのは否めませんね。
実はこの商品には“仲間”というか“オプション”がありまして、それがロボットの上半身とボートが合体した商品『ロボボート3号 アイアンロボ』です。

こちらもプロモデラーに作ってもらいました。

では、この『ロボボート』のロボットの上半身と、先ほどの下半身を合体させてみましょう。

か、カッコワル~!(笑)。でも、駄玩具好きな私にとってはこの脱力感は“素晴らしい”と思います。とはいえ、このプラモの工作をリアルタイムに体験していないので、当時このシリーズを買ったことがある年下の友人に感想を聞いてみました。彼は「子供心に何だかモヤモヤしたのを覚えてる。でもいい思い出になっているんだよ」と申しておりました。
実はこの2つのプラモは、先にアオシマ文化教材社が大ヒットさせた『合体ロボット マッハバロン』の堂々たるパクリ。アオシマが試行錯誤の結果、生み出した“合体させて遊べるロボットプラモ”というコンセプトをそのままいただいちゃったものなのです。先行するカッコいいお手本がありながらも、それよりもダサく作ってしまうアリイの垢抜けなさは、大人になった私の目からは愛おしくもあります。
さて、アリイはこの後、1980年代のガンプラブーム時にパクリ商品『ザ☆アニメージ』シリーズを展開します。品薄だったガンプラを買えなかった子供たちが、飢餓感を埋めるために、一見似たアリイのプラモを購入するなどしたため、まんまと成功を収めます。子供にガンプラを頼まれた親が間違えて買ったこともあるのでしょう。このときの失望感が2001年に発売されて話題となった《コレジャナイロボ》の原動力になっています。いわば今回紹介したロボこそは《元祖コレジャナイロボ》だというわけですね。
アリイは1980年代にこんなプラモデルも発売しています。
https://myjitsu.jp/archives/20099
ボクらのホビー人生を彩ってくれたアリイが、もしも今もあったら、どんなプラモを作っていたんだろう…つい、感傷にひたってしまいます。
(写真・文/おおこしたかのぶ)