運命の再会としか...3年前に行方不明になった犬、何気なく見ていたテレビ画面の中で発見(アメリカ)
飼ってしまえば我が子が一番。家族に迎え入れたその時から、飼い主にとっては特別な犬となる。
アメリカ、ロサンゼルスに住むルーシー・フラウストロさんにとっても、ピットブルのドジャーは特別な存在だった。
頭がちょっと大き目でバランスが悪く、笑うと右の耳から左の耳まで届くほど口が横に伸びるけど、その全てが愛おしかった。
ところが、そのドジャーがいなくなってしまったのである。
落ち込んでいたルーシーさんだったが、いたずらな運命が彼女に味方したようだ。まったく思いもかけぬところ、なんとテレビ画面の中で、ドジャーを発見したのである。
・ある日突然いなくなった愛犬
ドジャーがいなくなったのは、2015年の10月のことだ。脱走したのだろうか。神隠し?ルーシーさんが、いつものようにエサをやろうと庭へ出たところ、ドジャーの姿は忽然と消え失せていたのだ。
ルーシーさんたちは家族総出で、友達にも手伝ってもらって付近一帯を捜索し、ポスターを何枚も張った。また、近隣のシェルターを片っ端から訪ねて回った。
しかし、ドジャーは見つからない。
2ヶ月にわたって捜索を続けたルーシーさんだったが、とうとう諦めざるを得なかった。しかし、愛犬を失った悲しみはルーシーさんに重くのしかかった。
image credit: Danny Bress/The Dodo
image credit: Best Friends Animal Society
・何気なく見ていたテレビ画面の中に
それから3年近い月日が流れた。今年の7月4日の朝のこと、ルーシーさんの家ではテレビがついており、"Good Day L.A." というローカル番組が流れていた。
何気なく見ていたところ、ちょうど地元のシェルターで里親募集中の動物を紹介するコーナーが放送されていて、そこに映し出された「バトラー」という名のピットブルに、ルーシーさんの目は釘付けになった。
白とグレーの毛並み、大きな白い頭、そして耳から耳まで届くような笑み。
ルーシーさんは思わず叫び声を上げた。「ドジャー!私の犬!」
・行方不明になった後、施設に保護されていた
「バトラー」の里親を募集していたのは、「ベストフレンズ・アニマル・ソサエティ」という保護団体であった。
ルーシーさんは、さっそく団体のウェブサイトにアクセスし、詳しい情報を得た。「バトラー」はドジャーであるとの確信はますます強まったのである。
その団体の施設は、ルーシーさんの住まいからは車で1時間近くかかる場所にあった。ハンドルを握りながら、ルーシーさんは「お腹の中で蝶々が舞っているような」ソワソワした感覚を覚えていた。
はたして、施設に着いたルーシーさんが見出したのは...
やはり!3年前にいなくなったきりのドジャーの姿であった。
「ドジャーの姿を一目見たら、喜びがこみ上げてきて、泣いてしまいました」とルーシーさん。「夢を見ているかのような思いでした」
image credit: Best Friends Animal Society/The Dodo
image credit: Best Friends Animal Society/The Dodo
・ドジャーがテレビに出た理由
長いこと施設で暮らすうちに、ドジャーはスタッフの人気を集めていた。
ドジャーを担当していたボランティアのダニー・ブレスさんによると、ドジャーは「ラブバードのように愛情深く」「散歩の後にはいつでも最低15分は抱いていてやらねばならない」ほど人懐こい犬だったそうだ。
実は、ドジャーは1ヶ月ほど前に一度引き取られていったのである。しかし、引き取られた先で大家さんとの間に揉め事を起こし、戻されてきたばかりだったのである。
そんなドジャーに何とか永久の住まいを見つけてやろうと、ダニーさんはこの朝のテレビ出演にドジャーを連れて行ったのである。
その結果は、希望をはるかに超えたものとなった。
「ドジャーは元の家に帰れるのが分かっていたみたいでしたね」とダニーさん。振り返ることすらせずに、施設を出て行ったようだ。
「自分はきっと、ドジャーがいなくて寂しく思うことでしょう。でも、ドジャーが家に帰れたことは本当に嬉しいんです。自分がそのための役割を果たしたこともね」
・無事に元の生活に
ルーシーさんとの再会を果たし、無事に家に帰ったドジャーは、すぐに元の暮らしに馴染んだ。
ルーシーさん一家は、二度とドジャーを目の届かないところへ行かせないと決意している。また、万一の場合に備えて、身元証明用のマイクロチップもドジャーに装着したそうだ。
「心の一部が欠けていたのを取り戻したようです」とルーシーさん。「世界一の幸運に恵まれたんだと思ってます」
References: The Dodo / The Best Friends Blog など / written by K.Y.K. / edited by parumo