「夏の甲子園第28回大会」戦後初の大会を征した大阪・浪華商 (2/2ページ)
続く銚子商(千葉)にも2‐1で競り勝つと準々決勝の中京商(現・中京大中京=愛知)戦ではようやく打線が爆発して14‐0と大勝を収めた。
迎えた準決勝がこの時の浪商にとって大一番だった。というのも、この時対戦した法政二(神奈川)には前年夏もこの年の選抜も苦杯をなめていたからだ。勝った法政二はそのまま両大会を連覇。戦後史上最強チームと謳われていた。1年生からエースだった尾崎にとって法政二のエース・柴田勲(元・読売)はもはや因縁のライバル。どうしても3連敗は避けたいところだった。
試合は3たび、浪商不利の展開となった。8回を終わって0‐2。柴田の前に放ったヒットはわずか1本だった。しかし、もう負けられない浪商は土壇場9回表に1死満塁のチャンスをつかむと、ここで打者・尾崎が起死回生の同点タイムリーを放つ。さらに突入した延長戦でも11回表に尾崎の犠飛などで2点を勝ち越し。その裏の法政二の反撃を0に抑えた尾崎がついに因縁の対決に勝利したのである。
最後の決勝戦は尾崎の剛速球が冴え渡り、桐蔭(和歌山)相手に1‐0の完封勝ち。浪商は2度目の頂点に立った。そしてこの優勝を手土産に大会後、尾崎は高校を中退してわずか17歳でプロ入り。東映フライヤーズ(現・北海道日本ハム)入団後の実働6年間で100勝越えを達成することとなるのである。
(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=