アイドル性とはなんなのか:ロマン優光連載115 (3/5ページ)
実際のアイドルというのはアイドル性だけでもアイドル力だけでも、なかなか難しいものなのです。
吉田豪はかわいいのか 最近、吉田豪さんがかわいい、アイドル性が高いともっぱらの評判です。しかし、我々知人にとっての吉田豪といえば、まったく他人に隙を見せずに、他人の隙を見逃さずに、相手の口を滑らそう滑らそうと危険なトスを投げてくる油断のならない、かわいさの欠片もない男として認識されていたものです。プライベートも全く見せないし、他人に突っ込まれるような隙とか、かっこ悪い姿を他人に見せるとか考えられない人間だったのです。
ただ、そんな吉田さんが普段では考えられない無防備な笑顔を見せる時がありました。一つは好きなアイドルの話をしている時。もう一つは誉めた時です。本人自覚してるかどうかは知らないですけど、普段のニヤニヤじゃなくて、何の邪念も感じられない満面の笑顔になるんですよね。そういう時の笑顔だけはかわいかったです。
よく考えてみると、最近は好きなアイドルに直接会って話せる上に、アイドルから褒められたりしてるわけじゃないですか。ダブルで笑顔でちゃいますよね。そんな笑顔を見たアイドルが「吉田さんかわいい」って言いだす可能性は十分考えられるわけで。
アブドーラ・ザ・ブッチャーのような悪役レスラーが「目がかわいいー」とか女の子に言われているうちに、世間全体がなんかかわいい存在であるかのように認識するようになった例があるじゃないですか。あれと同じ感じですよ。一部のアイドルがかわいいとか言ってただけなのに、だんだんそういう風に見えてくるもんなのです。
いわゆる「吉田豪ポーズ」。里咲りささんも多用するあれですよ。里咲さんは小顔ポーズと呼び、あれは顔が小さく写ると言ってましたが、そんなことはどうでもいいんです。あれも、別にかわいいと思ってやってたはずじゃなくて、「アイドル性のない自分がアイドルっぽいポーズをとって写ってたら面白い」みたいな感じでやってたはずなんですよね。でも、今では普通にかわいいポーズとしてとられてるわけじゃないですか。一度、アイドル性を他人に見いだされると、ミダス王の手に触れたものが全て黄金にかわるように、全てが相手の中で、かわいいに意味が変換されてしまうのです。