大会通算26犠打!手堅い野球で「昭和最後の優勝」をつかみとった広島商 (2/2ページ)
“バントでV6を決めた”と語り伝えられる戦いを展開した。
初戦の上田東(長野)戦は延長10回4‐3でサヨナラ勝ち。続く日大一(東東京)との試合では15安打を放ち、12‐1と一蹴する。準々決勝では九州の名門・津久見(大分)と対戦。津久見には大会屈指の右腕と言われた川崎憲次郎(元・ヤクルトなど)が君臨していたが、6安打6犠打で5点をもぎ取り、投げてはエースの上野貴大が完封。5‐0と快勝した。準決勝の浦和市立(埼玉)戦も接戦の末、4‐2で辛勝。そして決勝戦では大会No.1左腕の前田幸長(元・中日など)と“九州のバース”こと山之内健一(元・福岡ダイエー)を擁する超大型チームの福岡第一と対戦。広島商はエース・上田が好投し、前田と息詰まる投手戦を展開。0‐0で迎えた9回表に2死二塁から4番の重広和司がライトオーバーのタイムリー二塁打を放ち、虎の子の1点を先制。これを上野がガッチリと守って通算6度目の全国制覇が達成されたのであった。
この大会で広島商は通算26個の犠打を決めるなど、いわゆる機動力と堅守で勝ち抜く“広商野球”で頂点に。88年といえば元号にすると“昭和63年”。いわゆる昔からの“甲子園戦法”を体現したチームが“昭和最後の優勝校”となったのである。
(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=