朝ドラ『半分、青い。』仙吉ロスを巻き起こした“中村雅俊の名言” (2/2ページ)
競争したら勝ちたいし、人には好かれたいし、お金は欲しい」というセリフだった。
岐阜への帰郷後、行き詰まっていた鈴愛をこのひと言が救った。SNSでは「視聴者も救われた方が多いのでは」、「今日は神回!」などこのセリフへのリアクションが相次いだ。この翌日の放送で仙吉は死去するので、なるほど「仙吉ロス」が騒ぎになったのもうなずける。
これまでも朝ドラでは、2015年下半期の『あさが来た』で五代友厚(ディーン・フジオカ/37)が死去したときに「五代ロス」が話題になるなど、イケメンキャラが亡くなるたびに「ロス」が叫ばれてきた。中村雅俊ももちろんイケメンではあるが、祖父役の死でこれほどまでに世間が反応したのは、彼が名言を連発した愛すべきキャラだったからにほかならない。
いくつか、仙吉の名言を振り返ってみよう。
■中村雅俊の仙吉は『半分、青い。』の良心!
「夢は見ているだけで贅沢や。<中略>その時間がいい。夢見てる時間だけで元取れるな」(第28話)
鈴愛が漫画家を目指すと言い出し、楡野家の男性メンバーが喫茶「ともしび」に集い話し合ったときのセリフ。若者の背中を後押しする、優しい祖父の言葉として話題になった。
「15分光がさすだけで、人はそれを楽しみに生きていけるんやって思ったんや<中略>要はな鈴愛、どうにでもなるぞ、大丈夫やってことや、人間はな、強いぞ」(第80話)
漫画家をやめる決意をした鈴愛に、仙吉が電話口で語った言葉。自分が戦争のときに隠れていた場所から1日のうち15分だけ見えた光に、生きる希望を持ったというエピソードだ。鈴愛を元気づける言葉も感動的だが、「1日15分」が朝ドラそのもののメタファーにも思える。朝ドラ史に刻みたい名言だ。
仙吉のセリフは実に穏やかな口調で、あわただしく展開が早い『半分、青い。』において、良心ともいえる存在だった。これら名言を思い出しながら、「仙吉ロス」を乗り越えたい。(半澤則吉)
※画像はNHK『半分、青い。』番組公式サイトより