世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第283回 国際リニアコライダーと日本の未来(1) (2/2ページ)

週刊実話



 日経に言わせると、ILC建設には「二つの壁」があるそうだ。

 壁の一つ目は、もちろん“財政が”である。日経は、記事において、
「問題は予算だ。仮に学術会議が誘致にゴーサインを出した場合も、日本の既存の科学技術予算の枠内では建設費などの負担金を捻出できない問題がある。他の科学技術プロジェクトにしわ寄せが行くのは確実だ」と、書いているのである。まさに、プライマリーバランス発想だ。

 なぜ、既存の科学技術予算を拡大する、あるいは、ILCと他の科学技術プロジェクトを同時並行的に進めるという発想にならないのか。財務省の手下である日経には、科学技術振興が理由であろうとも「予算拡大」という記事は書けないのだろう。

 とはいえ、安倍政権が6月に閣議決定した骨太の方針2018に、
「中長期の視点に立ち、将来の成長の基盤となり豊かな国民生活を実現する波及効果の大きな投資プロジェクトを計画的に実施する」と、書かれているのだ。

 ILC以上に、右記の条件を満たすプロジェクトは、他に思い当たらない。ILC建設は、骨太の方針2018に「沿っている」のである。

 ちなみに、岩手県ILC推進協議会の試算によると、ILCは施設の建設から20年間で総額5兆7190億円の経済波及効果が見込めるとのことである。

 ところが、日経は経済効果については一切、書いていない。単なる「金食い虫」という印象を与えたいのだろう。

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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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