IR実施法成立でも早くも暗雲 カジノ参入に二の足を踏む建設・不動産業界 (2/2ページ)
また、南海電気鉄道も、関空と夢洲に旅客船を運行する計画があることを明らかにしています」(地元記者)
ほかに、候補地となっている横浜では、京浜急行電鉄が'14年からIR新規事業プロジェクトチームを設置し、準備を進める。
「背後には、横浜のIR誘致に積極的だった菅義偉官房長官の存在がある。しかし最近は、菅氏の後ろ盾とも言われた“ハマのドン”こと横浜港運協会会長の藤木幸夫会長が、最近になってカジノ反対論をぶち上げ、地元商工関係者の賛成論者の間で困惑が広がっています。横浜市の林文子市長もいまだ“白紙”を通している。今後、菅氏がどう調整するのか、参入を計画している企業は固唾を飲んで見守っています」(大手建設会社関係者)
加えて候補地に挙がっている北海道の釧路市では、道東の阿寒湖周辺などを中心に道内13のホテルや飲食店などを展開する鶴雅グループが動いている。
大阪と並び誘致活動で一歩リードしているとされる長崎県でも、エイチ・アイ・エス傘下のハウステンボスがカジノの誘致に取り組んでいる。しかし、冒頭で触れたように、国内ではカジノ=ギャンブル依存症のイメージが強く、各世論調査でも5、6割が反対という数値もある。
「ハウステンボスのある佐世保市でも、市民団体が市へ誘致中止を申し入れている。しかも今回成立した法案では、カジノ事業社は納付金として収益の30%を国に支払わなければならない。そのため、成立したとはいえ、運営会社には不安が広がりはじめている。そうした動揺が、建設会社や不動産業者など、参入を画策している企業に広がり、二の足を踏んでいる状態なのです」(前出・経済誌記者)
曖昧な姿勢を見せているのが、大林組や三菱地所、三井住友フィナンシャルグループなどだ。
「大林組は積極的な投資への結論には至っていませんが、5月にカジノリゾート対策チームを立ち上げている。三菱地所も現時点では出資はしないが、プロジェクトに関与する方向でいるといいます。カジノ業者やパチンコ業者が積極的なのは当然の話ですが、建設業者などは地元住民の拒絶を押し切ってまで先行き不透明な商売に手を突っ込めない。そのため、内部で準備を進めながら、しばらく横並びの様子見の状況が続きそうです」(同)
本番は誘致場所が決まった後になりそうだ。